終活を始めるときに最初にやっていただきたいことは
エンディングノートを書くことです。エンディングノートを書くことによって、終活でやることがだんだんわかってきます。今回はエンディングノートについて解説します。

この記事の目次

エンディングノート(終活ノート)とは

エンディングノート(終活ノート)とは、
終活をするための計画書として書くノートのことです。

エンディングノートを書く意味は、大きく分けて2つあります。

一つ目の意味はご自身が亡くなったときのために備えて書くということです。
終末期医療や葬儀などについての希望や自分の意思を明らかにし、
残される家族に対して本人しか知らない情報を伝えることができます。

エンディングノートがあれば、残された家族は、故人の思い通りに終末期医療や葬儀などをすることができます。エンディングノートは、家族への愛情表現のひとつと言えます。

もう一つの意味は今後の人生を充実させるために書くということです。
人生のエンディングを意識することをきっかけにして、今後の人生を充実させることができます。多くの方は「元気なうちから死について考えるのは縁起が悪い」と言って、エンディングノートを書くことに抵抗を感じると思いますが。エンディングノートには、これまでの人生を振り返って、今後の人生を見つめ直す役割もあります。

そのため、エンディングノートを書いている人の中には、
死とは無縁と思われる若い方もいます。

エンディングノート

エンディングノートは、死への備えだけでなく、自身の人生計画を立てたり、自身の成長に繋げるために書くこともできますので、自分自身のためにもなりますし、残される家族のためにもなるノートになります。

エンディングノートに書く内容は自由ですので、
家族との思い出や、自分史を書く方も多いです。

人生には必ず終わりきます。エンディングノートをきっかけにして
今後の人生を見つめ直し、今を大切に生きることができます。

エンディングノートを書くメリット

エンディングノートを書くメリットには以下の5つがあります。

① 遺された家族を安心させることができる
② 生前整理ができる
③ 備忘録として活用することができる
④ ご自身の想いを後世に残すができる
⑤ ご自身の人生を振り返ることができる

① 遺された家族を安心させられる

エンディングノートに自分の想いを書いて家族に伝えることができます。例えば、エンディングノートに死期を迎えた場合の延命治療についてや、葬儀の形式や種類などについて書いておくと、遺された家族はすごく助かります。

生前に、尋ねにくいこうした内容について、本人がエンディングノートに具体的に書いておくと、残された家族の負担を軽くすることができます。

さらに、家族や親しい人への感謝の言葉や、生前に言うことができなかった言葉も書き残すことができます。

遺書や遺言書でも家族への想いを書くことことはできますが、
文字だけで想いを伝えきるのはとても大変です。
エンディングノートは自由に書くことができますので、
文字だけでなく、イラストをかいたり、写真などを張り付けることができます。
そのため、自身が伝えたい希望をより多く伝えることができます。
例えば、希望する介護施設や葬儀の形式について希望がある場合、
文字で伝えるよりも写真で伝えた方が家族の方が理解しやすくなります。

ご自身が亡くなった後、あなたの財産を家族の方が相続します。
相続に備えて、財産の全体を正確に確認して、誰にどれだけの財産を
相続するのかを決めて書いておくと、遺された家族は納得して、あなたの財産を分割しやすくなります。
そのため、相続トラブルを未然に防ぐことができ、相続問題についての不安がなくなり、安心して生活ができるようになります。

②生前整理ができる

エンディングノートを書くときに、
資産の状況や生命保険などの契約を確認します。

また、エンディングノートの項目に沿って記入していくので、
自分に関するいろんなことを、一冊のノートにまとめることができます。
そのため、元気なうちに身辺にある物を片付けておく
「生前整理」を同時に行うことができます。

③ 備忘録として活用できる

現在の状況をエンディングノートに書いておくと、
終活のためだけではなく、日頃の生活の備忘録としても役に立ちます。

忙しい毎日を過ごしているといろいろ忘れてしまいがちですが、
日常のことをエンディングノートに書いておけば、
見返したときにすぐ思い出すことができます。

自身の想いだけでなく、パソコンのパスワードや
友人の住所や連絡先などの情報をエンディングノートにまとめておくと、
備忘録として活用することができます。

忘れると後で困る大切な情報を、
エンディングノート一冊に書きまとめておけば、
書き残したメモを探す手間を省くこともできます。

④ ご自身の想いを後世に残すができる

家族や親しい人への感謝の気持ちや
生前から周囲に対して言えなかったことをエンディングノートに
文字として残すことができます。

家族のためだけでなく、ご自身の想いを後世に残すこともできます。

また、エンディングノートを書くと
家族に伝えたい内容を整理することもできます。
頭の中で考えて、白紙のノートに書こうとすると、
どんなことを書けば良いのか悩んでしまいますが、

エンディングノートには必要な項目が用意されているので、
家族に伝えたい内容を整理することもできます。

⑤ ご自身の人生を振り返ることができる

エンディングノート書くときに今までの人生を振り返ることができます。同時に、自分自身がどのような想いを抱いているのかについても書くことができます。

エンディングノートで人生を振り返ると、
これから先の人生や自分の死後について見つめ直すことができます。

エンディングノートに書く内容

エンディングノートに必ず書かないといけない項目や、
書き方の形式が決まっているわけではありませんが、
いざエンディングノートを書いてみよう!と思っても、
何から書き始めればわからないと思います。

ここでは、一般的に書くことの多い項目を紹介します。

終末期医療の対応や葬儀への希望、
友人や知人の連絡先、預貯金、保険、年金、貴重品についての情報は、
整理して記入しておくと残された家族が助かります。

項目に従って、エンディングノートを書いていくと、
家族にわかりやすく伝わりやすい内容のエンディングノート
を作成することができます。

まずは「ご自身のこと」から書き始めてみてください。
書きたいことが、どんどん浮かんでくるとおもいます。

また、“今はこう思っている”という気持ちを書いておくことも大切です。
その時の事情や状況によっていろいろ変わってくると思います。
変わったら、変わった時に、また書き直してください。

さらに、該当しない項目には、
“なし”とか”-”とはっきり明記するようにしてください。
あとで書き忘れなのか該当しないのか区別することができます。

①自分自身のこと

自分の生年月日や住所、
本籍地を書いておけば誰が書いたものかが一目瞭然です。
それに加えて、ご家族のこと、趣味や特技、
心に残っている出来事や思い出などについても書いていきます。
お気に入りの写真を貼っておくとすごくいいです。
自分の好きな食べ物や趣味などを書くことで、
新しい自分の発見につながるかもしれません。

また、介護をする人がエンディングノートを見て
好みや趣味を把握することができますので、
できる限り多く、詳細に書いた方がいいです。

ご自身について書いていくときに、
これまで自分自身を見つめ直すことができますので、
これからの人生でやりたいことが明確になったり、
今後の人生を積極的に過ごすきっかけになります。

生年月日をはじめ、本籍地、マイナンバーなど個人情報に関することは
まとめて記しておくと、役所などでの手続きがスムーズになります。

また、家系図やこれまでの人生についてなど、
若い世代があまり知らないことも記入しておくと
家族の方は新しい発見ができて喜ぶと思います。

記入例
・名前
・生年月日
・住所、本籍地
・血液型
・家族のこと
・好きな食べ物
・好きな飲み物
・好きな色
・好きな映画
・好きなテレビ番組
・好きな有名人
・好きな本
・好きな音楽
・好きな匂い
・好きな景色
・好きな場所
・好きな季節
・趣味、特技など

②身の回りのこと

個人情報、契約しているものについて書いていきます。
家族と離れて暮らしている場合、家族の方は身の回りのことに
ついてほとんど知りませんです。

あなたが亡くなった後、あなたが契約していたものや
健康保険証などは家族が返還や利用停止の手続きを行います。

保険証やパスポートなどの身分証明書が
保管してある場所についても書いておくと、
さまざまな手続きをスムーズに進められるようになります。
しかし詳細に書くと、エンディングノートを
紛失した時や盗難に遭った時、パスワードや保管場所が
書かれていると不正利用される恐れがあります。
紛失・盗難された時のことを考えて、
その存在を示す程度の内容にとどめた方が良いでしょう。

・パソコンのログインID・パスワードなど
・運転免許証、健康保険証、
・パスポート、マイナンバー
・住民票コード:所有の有無
・食材やサプリメント、
・定期購入サービス
・インターネットサービス
・登録中のSNSやショッピングサイト
・スポーツクラブや習い事
・携帯電話:(所有の有無、契約会社名、契約者名、支払い方法)
・水道、ガス、電気:契約会社、契約者名、支払い方法
など

利用しているサービスについては、
スムーズに解約手続きができるように、
退会手続きなどの操作方法を書いておきます。

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に関しては、
アカウントを削除するか残しておくか、また、投稿してほしいメッセージなどがあるかなども書いておくと残された家族が助かります。

③ペットについて

ペットを飼っている場合は、残されたペットのためにも、自分の死後はペットをどのように扱って欲しいのかについて書いておいてください。

ペットとの思い出や誰にペットの面倒を見て欲しいのか希望を書いておくと家族がペットの世話をしてくれます。

家族が同居していなくて、ペットについてよく知らない場合は、
なるべく詳細な情報を書いてください。
例えば、ペットの性格や好きな食べ物、お気に入りのおやつやおもちゃ、加入しているペット保険や通っている動物病院について記入しておくと、次の飼い主になる人も飼いやすくなります。

何も書かずに飼い主が亡くなると、誰も次の飼い主にならずに、
家族の元から手放されてしまう可能性があります。
引き続き家族に面倒を見て欲しい場合は忘れずに必ず記入してください。

書く内容
・ペットの名前
・年齢
・ペットの種類
・かかりつけ医の住所
・ペット飼育の有無
・ペット保険:保険加入の有無
・かかりつけ医:病院名など
・食べ物:普段食べている食べ物、好きな食べ物
・自分が亡くなった後、どのようにしてほしいか
 (例)家族の誰かに飼ってほしい、施設に預けてほしい、
    里親を探すNPO法人に預けてほしい、など

④ 財産について

自分がどのような資産をどのくらい持っているかを、家族に知ってもらうために、自分の財産について書きます。

年金証書、保険証書、介護保険証や健康保険証、通帳と印鑑など、
貴重品の保管場所を記しておくと、家族が相続手続きをするときに助かります。

また、遺言書の有無、保管場所と種類(自筆証書、公正証書、秘密証書) や作成時に依頼した専門家の連絡先についても、書いてください。

以下のような、自分が所有する財産について書いてください。

・預貯金:銀行名、支店名、口座番号、預貯金の種類、口座名義、口座の種類、連絡先、通帳・印鑑の保管場所、ネット銀行口座、為替取引に関する口座など 
 ※通帳の表紙のコピーを添付

・年金:公的年金
・私的年金の有無、種類(企業年金、個人年金、など)
 ※年金手帳の基礎年金番号が書かれているページをコピーして添付

・不動産:不動産の有無、住所、名義、用途(自宅、別荘、投資用、など)
 ※固定資産評価証明書や登記事項証明書のコピーを添付

・自動車
 ※車庫証明書の添付

・有価証券:有価証券の有無、証券会社名

・骨董品
 ※写真を添付

・借入金・ローン
 ※通知書等のコピーを添付

・加入している保険:保険の種類(生命保険、共済、など)
・保険会社、契約者名、連絡先、連絡先、契約者名、受取人、保険証券などの保管場所
 ※保険証などのコピーを添付

・貸金庫:貸金庫の有無
 ※契約書などのコピー

・クレジットカード:カード名称、引き落とし先
 ※明細書などのコピーを添付

・遺言書の有無
・保管場所
・種類(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言)
・作成を相談した専門家の名前、連絡先

なお、銀行口座の暗証番号やクレジットカード番号などの重要な情報を
エンディングノートに書いてしまうと、紛失してしまった場合、
不正利用される恐れがあるため気を付けてください。

⑤医療・介護について

もし、認知症などにより判断能力が低下したときには、
どのような看護を望んでいるのか、
また、意識不明・重篤な状態になったりした場合の治療の進め方に関し、
ご自身が望んでいることを記載しておきます。

病名を告知されたご家族が本人に伝えるべきかどうか、
思い悩んでしまうことがあります。
また、延命治療についても、ご家族が判断するのはとても負担になります。
そのようなとき、エンディングノートにご自身の気持ちを書き留めてあれば、ご家族の方がすごく助かります。

書く内容

 ・介護が必要となった場合、「誰に」「どこで」「どのようにしてほしいか」
  介護費用はどのように捻出するのか など
 ・介護内容の方針を決める人
 ・認知症になったらどうしてほしいか
 ・かかりつけ医の病院名、住所、先生の名前、電話番号
 ・命に関わる病気の場合、病名の告知を希望するか
 ・回復が難しい場合の延命措置を希望するか
 ・臓器提供や献体を希望するか希望しないか

また、アレルギーや持病がある場合や、常用薬がある場合はアレルギーの内容(そば、卵、乳、など)や持病の種類、常備薬についても書いてください。

介護や医療については書くだけではなく、できるだけご家族の方と話し合いもしてください。

⑥葬儀・納骨について

自分の最期をどのようにしてほしいかを書きます。
葬儀会社やお葬式の内容、供養の方法、遺影写真や一緒に棺に納めてほしいものなどについて希望を書いておくと、お葬式をスムーズに行うことができるようになります。

お墓をお持ちの方は、寺院や霊園の住所・連絡先も書いておきたいですね。

葬儀・納骨についての記載は次のとおりです。

【書く内容】

・葬儀社
・葬儀内容 (家族葬、一般葬、火葬のみ、など)
・葬式の規模
・葬儀の費用
・喪主を務めてほしい方
・祭壇の種類
・参列者の範囲 名前、住所、連絡先、間柄(親族、友人、など)
・葬儀中の音楽
・遺影に使ってほしい写真
・納棺の際に一緒に入れてほしい物
・菩提寺:菩提寺の有無、名称、宗派、住所、連絡先
・契約しているお墓
・お墓を継承してほしい人
・納骨堂:契約しているお墓
・納骨堂の有無、名称、住所、電話番号
(契約書類の保管場所)
・納骨堂がない場合:希望する納骨形式
(一般墓、集合墓、納骨堂、自然葬・樹木葬、散骨、など)

※葬儀や納骨についてもは自分以外の方も関わるので、
ご家族の方とと話し合いながら進めてください。

⑦連絡先について


自分の親族や親しい友人の連絡先を書いておきましょう。
死後に連絡してほしい場合には、そのことを記載しておくとご家族の方も助かります。連絡先をエンディングノートに書いておくとご自身の備忘録になりますし、ご家族の方は、あなたの交流関係についてほとんど把握していませんのでとても助かります。

【書く内容】

・入院した時や介護施設に入所した時に連絡をする人
・葬儀の時に連絡する人
・訃報だけでも送る人
と分けてエンディングノートに記載しておけば
家族の負担が減ります。

万が一のとき、友人、知人の連絡先を一覧にしておけば、
家族の負担は大きく軽減されます

⑧ご家族へのメッセージ

普段はなかなか言い出せなかった感謝の気持ちや懐かしい思い出など、
家族や友人に残しておきたいメッセージを書いておきましょう。
写真などを一緒に貼っておくと、より鮮明に思い出が蘇ります。
動画にして残すという方法もあります。

エンディングノートを書くときのコツ

いざ、エンディングノートを書いてみようと思っても、
なかなか筆が進まない方は多いと思います。
しかし、書くコツさえつかんでしまえば、
エンディングノートを完成させることは難しくありません。

ここではエンディングノートを書くための5つのコツについて解説します。

①書きやすい項目から書いていく
②空欄があっても気にしない
③今の気持ちをとりあえず書いてみる
④家族と相談しながら書く
⑤何度書き直しても大丈夫

①書きやすい項目から書いていく

項目には、すぐ書ける項目とすぐに書けない項目があります。
例えば、自分のことについてはすぐに書けると思います。
反対に、医療・介護のことや葬儀についてはすぐに書けないと思います。

とりあえず、すぐに書けるところから書いてみてください。
お茶を飲みながら、テレビを見ながら、好きなところから書いてみてください。
時間がかかっても問題ありません。気楽に書いてみてください。

エンディングノートに、決められた書き方はありませんので、
どこから書きはじめてもいいですし、全部を埋める必要もありません。

ページをパラパラとめくっていって、
書けそうな箇所を見つけたら、順番に書いってください。

②空欄があっても気にしない

空欄があっても気にせず、書けるところから書いていってください。
書く必要のない項目には「ー」と書いておくといいです。

幾つか記入されているだけでも助かりますので、
気楽に書いてみてください。

③今の気持ちをとりあえず書いてみる

エンディングノートには正解はありませんので
とりあえず今の気持ちを書いてみてください。

今不安に思っていることや心配していることを書いてみてください。
それをきっかけにして、どんどん書き進めることができます。

ご自身が元気なうちからこれらの心配事についての希望があると、
家族は最適な対応方法を検討することができるので助かります。

普段は伝えにくい事柄や気恥ずかしい言葉でも、
エンディングノートを経由して家族に伝えることができます。

④家族と相談しながら書く

家族の方と相談しながらエンディングノートを書いていくと
スムーズに書くことができます。
家族の方からヒントをもらえたり、
要望を確認することができますので
エンディングノートの作成がはかどります。

また家族だけではなく、専門家や同年代の友人に相談してみるのもいいです。
行政書士等の専門家に相談してみると、エンディングノートの作成だけでなく、
遺言書の作成や相続対策についても参考になります。

⑤何度書き直しても大丈夫

エンディングノートを作成した後に
ご自身の思いが変わったときはいつでも、
自由に書き直したり、書き足したりして、
好きなようにエンディングノートを作ってください。

エンディングノートは一度書いて終わりではありません。
定期的に内容を見直して、どんどん書き直してください。

エンディングノートを書く時の注意事項

エンディングノートは、家族や大切な方に見てもらうノートです。
記入する内容も、いつか、誰かに見られるものということを想定して
書く必要があります。

注意事項① エンディングノートの保管場所

エンディングノートには、大切な個人情報やデリケートな内容などが
書かれています。

相続に関する希望などを、事前に親族などに見られてしまうと、
相続トラブルの原因になる可能性もあります。

だからと言って、誰にも見つからないように
厳重な場所に保管すると、ご家族の方にも見つけてもらえなくなり、
あなたの意思や希望が反映されないので、
エンディングノートを書いた意味がなくなってしまいます。
この状態を避けるために、保管場所はご自身が管理する鍵付きの引き出しや家庭用の金庫などに保管して、信頼できる人に「エンディングノートを残した」と伝えてください。

なお、人に見つかってはいけないからといって、銀行の貸金庫などを利用する方もいますが、これはやめた方がいいです。

銀行の貸金庫に預けると非常に安全ですが、本人以外の方が貸金庫を開けることがとても難しいので、ご家族の方がエンディングノートを確認する必要があっても見ることができなくなる可能性が高いです。 

また、本人が亡くなり、葬儀の準備が必要になった場合も、金庫を開けてもらうために煩雑な手続きが必要になり、時間がかかるので、葬儀に間に合わず、あなたの意思を反映できなくなります。

エンディングノートをせっかく書いておいても、もしものときにご家族の方が確認できなければ意味がありません。

注意事項②:終活ノートとは別に遺言書が必要

エンディングノートはあくまでもご自身の希望や意思を記載するノートですので、相続についての記述があっても法的な拘束力はありません。

法律で定められた相続以外の方法で財産分与したい場合は、エンディングノートと同時に「遺言書」を作成する必要があります。

注意事項③:定期的な見直しが必要

ご自身の事情や状況は常に変化し、それに合わせて考え方等も変わっていきます。
そのため、エンディングノートは一度書いたら終わりではありません。
定期的に見直して、最新の情報に書き直す必要があります。

また、新規に契約を行ったり、契約を解除した場合は随時エンディングノートを書き直してください。

注意事項④:余計な情報は書かない

エンディングノートにいろいろな情報を書いていきますが、中には書かなくても良い情報もあります。

例えば、銀行口座やクレジットカードの暗証番号などです。万が一、エンディングノートを紛失した場合、不正に利用されてしまう可能性があります。

エンディングノートはご自身の大切な情報を記載するものです。
個人情報の取り扱いには、十分に気を付けなくてはなりません。

絶対に記載しないようにしてください。

エンディングノートにつてよくある質問


Q:いつエンディングノートを書き始めるの?

A:エンディングノートの書き始める時期は、特に決まっていません。
高齢になって、死が近くなってから作成すればいいと思っている方がいますが、人生はいつ何が起こるか分かりません。
若くても、突然事故や災害に巻き込まれて意識がなくなったり、認知症になったりするという可能性はあります。

また、自分が亡くなったときの備えではなく、自身の人生計画を立てるためにエンディングノートを書いている方もいます。

そのため自分の元気な時に、書けるときから書き始めた方がいいです。
エンディングノートは毎日書いていく必要はありませんし、書きにくい項目は飛ばしても良いです。しばらく中断しても大丈夫です。

Q:エンディングノートはどこに保管したらいいの?

A:いざという時にエンディングノートが役に立ちます。ご家族の方に見つけてもらいやすい場所に保管してください。ご自身が管理する鍵付きの引き出しや家庭用の金庫などに保管して、信頼できる人に「エンディングノートを残した」と伝えてください。

Q:エンディングノートにはどんな種類があるの?

A:エンディングノートに使うノートですが、特に決まりはありません。

エンディングノート専用のノートも販売されていますし、インターネット上からダウンロードできるものもあります。また、市販の大学ノートを自分で加工する方法もあります。

Q:エンディングノートと遺言書の違いは?

A:遺言書は財産の分配方法や遺された家族等に対するメッセージを書くためのもので、法的拘束力がありますが、遺言書は有効に成立するためには、法律によって定められた要件を満たしている必要があります。
この要件を満たしていない場合、遺言書は無効となり、作成した遺言書の内容で遺産分割することが出来なくなります。

これに対して、エンディングノートには遺言書としての法的な効力はありませんので、エンディングノートに書かれた内容で遺産分割をすることができませんが、法律で定められた要件などはなく自由に書くことができます。

エンディングノートのまとめ

昨今では新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、エンディングノートを書き始めている人が増えています。
エンィングノートに書く内容や書き方について決まりはないので、ご自身の思いを自由に書いていただければと思います。

いざエンディングノートを書こうと思っても、書くことが多すぎて、少し面倒な気持ちになるかもしれません。
しかし、すべてを一度に書く必要はありません。
ご自身が書きたい項目から気楽に、ご自身のペースで書き進めていってください。

エンディングノートを書きながら、自分自身のこと、財産のこと、交友関係などを見直して、人生を振り返り、これからの人生を見つめ直すことができます。

また、終末期医療や介護、葬儀や納骨などについての希望、財産分割の方法や理由、友人などの連絡先がまとめてあると、もしもの時にご家族の方が助かります。

エンディングノートは、あなたがどのようにしたいかという希望を書くノートですので、エンディングノートに法的な効力はありません。
そのため、財産の分け方などについて強い希望がある場合は、
遺言書も併せて作成しましょう。

家族信託の小冊子を作成しました。

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