介護や看取りの希望については子供たちに伝えておくか、エンディングノートにしっかり書いてください。
自宅で介護状態が続いていて、在宅介護ができなくなった場合は、
公的な介護施設か民間の介護施設に入居することになります。
公的施設には、一般に「特養」と呼ばれる特別養護老人ホーム、「老健」と呼ばれる介護老人保健施設、さらに介護療養型医療施設(療養病床)と介護医療院があります。
この記事の目次
特別養護老人ホーム(特養)
特別養護老人ホームを運営しているのは自治体や社会福祉法人などです。公的施設で、介護老人福祉施設とも呼ばれています。
そのため、費用が安いのですが、充実した介護を受けられるので、
入居希望者が多いです。
一度入居すれば、原則、本人が亡くなるまで入居できるので、
家族のかたも安心することができます。
特別養護老人ホームでは、食事を提供してくれますし、
入浴などのサービスをしてくれます。
さらに、介護サービスも受けることができます。
入居基準は、年齢が65歳以上の方で、要介護3~5に認定されることが原則です。
しかし、末期のがんや関節リウマチ、骨折を伴う骨粗しょう症、
初老期における認知症など「特定疾病」と認定される場合は、
40~64歳の方でも例外的に入居することができます。
さらに、要介護1~2の方でも特例で入居できる場合があります。
特別養護老人ホームの入居希望者が多いため、「入居待機者500人」
あるいは、「申請してから入居まで1年以上かかる」というのが
現在の状況です。
介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設(老健)は、長期入院をしていた方が、退院して家庭に戻るまでの間に利用されることの多い施設です。特別養護老人ホームなどと同様に、介護保険が適用される公的な施設です。
介護老人保健施設(老健)は、要介護1以上の要介護高齢者が自宅復帰をすることを目的として、医師による医学的管理をしながら、看護・介護を提供する施設です。
作業療法士や理学療法士等によるリハビリテーション、
栄養管理・食事・入浴などのサービスまで併せて提供します。
利用者ひとりひとりの状態や目的に合わせた計画を、
医師をはじめとする専門スタッフが提供しています。
看護師が24時間常駐しているところも多いので安心です。
在宅復帰を目的としているので、入居期間は原則3~6ヶ月の期間限定となっていますが、実際には、当初の目的が達成できていないなどの理由から、その期間を延長してから自宅に帰られるケースもあります。
入居期間が限定されているため、特別養護老人ホームの入居待ちとして利用している方もいます。
介護療養型医療施設(療養病床)
介護療養型医療施設は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設と同じく、要介護1以上の要介護高齢者が入居することが出来ます。
食事や排泄の介助などの介護サービスは提供されますが、
特別養護老人ホームとはちがい、医療機関の一部となっています。
そのため、急性疾患などから回復中の患者に対する
医学的に行われるケアが中心です。
入院患者と同じように心身の状態が改善してきた場合には、
施設からの退所を求められることもあります。
介護医療院
介護医療院は「医療の必要な要介護者の長期療養・生活施設」として、
平成30年4月より創設された介護保険施設です。
慢性期の医療や介護を必要とした高齢者に対応するため、
医療処置等が必要で自宅や特別養護老人ホーム等で生活することが難しい高齢者にも対応できる施設です。
介護医療院は、
①「日常的な医学管理」や「看取りやターミナルケア」等の機能
②「生活施設」としての機能
を兼ね備えた施設として、制度設計されました。
介護医療院では、利用者が長期に療養生活を送ることができ、
経管栄養や喀痰吸引等を中心とした日常的・継続的な医学管理や、
充実した看取りやターミナルケアをしてくれます。