大腸がんとは、大腸(結腸または直腸)の内壁で異常な細胞が増殖し、悪性腫瘍を形成するがんです。便秘、下痢、血便、腹痛などの症状を引き起こし、早期発見が重要です。検診や健康的な生活習慣が予防に役立ちます。

この記事の目次
大腸がんとは
大腸がんは、大腸と呼ばれる部分に発生するがんのことを指します。大腸は、私たちの体内にある長い管のような器官で、食べ物が最終的に通過する場所です。ここで、食べ物の消化が続き、同時に水分も吸収されます。大腸がんは、この大腸の内壁の細胞ががん化してしまう病気です。
大腸がんの症状
大腸がんは初期段階では症状がほとんど現れませんが、進行するとさまざまな症状が現れることがあります。高齢者の方々にもわかりやすく説明します。
排便の変化:
便秘や下痢が繰り返し起こる、便が細くなる、便が残っている感じがある、など排便に関する変化があります。ただし、これらの症状は大腸がんだけでなく、他の便通の問題にも関連することがあります。
血便:
大腸がんが進行すると、便中に血液が混ざって血便と呼ばれる現象が起こることがあります。これは大腸がんが増えている際に新しい血管ができ、これらの血管が破れて出血するためです。血便がある場合、必ず医師の診察を受けるべきです。
お腹の変化:
お腹が張っている感じがある、腹痛が起きる、お腹にしこりを感じることがあります。がんが大きくなると、便が通りにくくなり、お腹に圧力をかけてこれらの症状が引き起こされます。
体重減少:
体重が急激に減少することがあります。がん細胞は成長するために体内の栄養を奪い取ることがあるため、体重減少はがんの症状として特に重要です。特に5キロ以上の体重減少がある場合、がんの可能性を考えるべきです。
これらの症状は、大腸がんの進行度やどの部位にがんができているかによって異なります。
大腸がんの原因
食生活の欧米化:
高脂肪で低繊維な食事、特に肉やファーストフードの摂取が増えると、大腸内の細菌バランスが乱れ、大腸がんのリスクが高まります。これは、食生活の変化が肥満や糖尿病などのリスク因子につながる可能性があるためです。
遺伝的要因:
遺伝的な要因も大腸がんの発症に関与しています。世界各地の人々や、国内の地域によって、大腸がんの発生率に違いがあります。遺伝的な要因が一因であることが考えられています。
食物繊維と野菜・果物の摂取:
食物繊維や野菜・果物を十分に摂取することは、大腸がんの予防に役立つとされています。これらの食品にはがん抑制作用のある成分が含まれており、大腸がんのリスクを低下させる可能性があります。
その他の食事要因:
コーヒーや緑茶には発がんを抑制する成分が含まれていることが示唆されています。しかし、これらの効果はまだ確定的ではなく、研究が進行中です。
運動不足:
運動不足は特に結腸がんのリスクを高める要因です。身体活動が不足すると、腸の動きが悪くなり、大腸がんのリスクが上昇する可能性があります。
喫煙と飲酒:
喫煙が大腸がんのリスクを高める報告は限られていますが、長期間の喫煙がリスクを増加させる可能性があることが指摘されています。飲酒についても、特に直腸がんや下部結腸がんで多量飲酒がリスクを増加させるという報告があります。
その他の要因:
NSAIDS(非ステロイド系抗炎症剤)の定期的な使用は、大腸がんのリスクを低下させることが示されています。また、家族歴やポリープ(ポリープの大きさによる)も大腸がんのリスクに関連しています。

