家族信託と空き家
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家族信託と空き家について説明します。
例えば、母親が実家で一人暮らしをしていましたが、今後のことを考えて、老人ホームに入ることになりました。子は長男一人で、市内に配偶者と一緒に住んでいました。
家族信託では、財産を持っている人が信用できる人に財産を託します。財産を託された人は、その財産をきちんと管理をします。他の人に貸したり、担保の設定をすることが出来ますし、場合によっては売却することも可能です。
売却などをして得られた利益は、財産を託した人の物となります。
※利益を受け取る人の設定は信託契約の中で自由に設定することが出来ます。
財産が家で賃貸不動産を託した場合の利益は、家賃収入。
自宅を託した場合の利益は、安心して自宅に住むことができる居住権となります。
今回のケースでは、母親は自宅を長男に託しました。母親は老人ホームに入った後は売却して欲しいと言っていましたので、長男が自宅を売却しました。売却して得られたお金は母親のものとなります。
図で説明すると次のようになります。
- 信託契約で母親は長男に自宅を託します。
- 母親は老人ホームに入所します。
- 長男は自宅が空き家になったので、自宅を売却します。
- 自宅を売却したときのお金が長男のところに入ってきますが、長男は母親の口座に振り込みます。
家族信託の小冊子を作成しました。
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