今回は、家族信託と銀行の家族信託という商品について解説いたします。

家族信託とは


 家族信託とは、親(委託者)の財産を信頼できる家族(受託者)に託して財産管理をしてもらう制度です。

家族信託を活用すると認知症対策や相続対策に大きな効果を発揮します。
委託者(財産を預ける人)、受託者(財産を預かる人)、
受益者(預けた財産から利益を受取る権利の有る人)
を家族で設計することができます。

家族信託では、子が受託者になる場合が多いです。
家族間で家族信託は完結しますので、信託銀行や裁判所の関与は必要ありません。

そのため、家族信託の内容を自分たちで柔軟に設計する事ができます。

家族信託について、こちらもご参照ください。


銀行等の「家族信託」という商品について


 最近、銀行や信託銀行で家族信託という商品がいろいろ出てきました。 お金を銀行に預けて一定の条件が来たら払い戻してくれたり、特定の相続人が受け取ることができるという内容です。

代表的な商品として
みずほ銀行の家族信託「安心の贈りもの」
家族信託 | みずほ銀行
三菱UFJ信託銀行の「家族安心信託」
家族安心信託の特徴:三菱UFJ信託銀行
三井住友銀行の「家族リレー信託」
家族リレー信託

があります。

銀行等の家族信託という商品のメリットとデメリット

メリット

・銀行で元本が保証されます。

・相続発生した後に相続人が資金が引き出すことができます。

デメリット

・最低預け入れ額などの要件があるので、要件を満たさないとすることができない。

・不動産等の金銭以外の財産は信託することができない。

・あらかじめ商品内容が決まっているので、状況に合わせた設計ができない。

家族信託と銀行の家族信託という商品

 家族信託と銀行等の家族信託という商品の違い

信託できる資産

家族信託


原則制限はありません。
※例外的に信託財産にできないものはあります。

銀行等の家族信託という商品


金銭のみ。不動産など他の財産を信託することができません。

最低預入額

家族信託


ありません。

銀行等の家族信託という商品


各商品ごとにより変わります。 多くの場合500万円以上

家族信託の設計


家族信託


内容を状況に合わせて自由に設計することができます

銀行等の家族信託という商品


あらかじめ設計されているので、商品の内容通りにしか設計できない

費用


家族信託


専門家のコンサルティング料と家族信託契約書を公正証書化する費用

金銭のみの信託の場合で約30万円~
不動産を含む信託の場合で約50万円~

銀行等の家族信託という商品


商品により違いますが、多くの場合ほぼ無料。

主な用途


家族信託

相続対策
認知症対策
・事業承継対策
・葬儀費用対策
・遺言代用
・二次相続対策
・遺族の生活保障

銀行等の家族信託という商品


・葬儀費用対策
・遺族の生活保障

まとめ

家族信託と銀行等の家族信託ではそれぞれ用途が変わってきますので気を付けてください。状況によって、家族信託を選んだ方がいい場合と銀行等の家族信託という商品を選んだ方がいい場合があります。

家族の方とよく話し合って選択してください。

家族信託の小冊子を作成しました。

家族信託と銀行の家族信託という商品
家族信託と銀行の家族信託という商品

にほんブログ村 その他生活ブログ 遺言・相続・遺品へ
にほんブログ村

家族信託と銀行の家族信託の関連動画