信託法が2006年12月改正され、2007年9月から施行されて、「民事信託(家族信託)」が本格的に利用されるようになりました。

家族信託は相続争いの防止や認知症対策など、現代のさまざまな課題を解決することができます。

家族信託」は、自分の老後や介護等に備え、保有する不動産や預貯金などを「信頼できる家族に託し」管理・運用・処分を任せる家族の為の財産管理のことです。 

昨今、急速に高齢化が進んでいることにより、高齢者の判断能力低下への対応や、財産承継への対応の必要性が高まっています。

その中で、コンサルティングを行う専門家(司法書士、税理士、行政書士等)が中心として、民事信託(家族信託)の活用を後押しする動きが活発化しています。

判断能力低下に備えての信託利用には4つのメリット

高齢者の判断能力低下に対応する社会的な枠組みとしては、後見制度(成年後見、保佐、補助、任意後見)や、民法上の委任契約の利用があります。

また、死亡による財産承継という観点からは、民法上の相続制度(特に遺言)を利用することになります。

家族信託とこれらの制度と比較した場合、その利用には以下のメリットが挙げられます。

家族信託は2007年に施行されました

1.後見制度ではできない柔軟な財産管理が実現可能

成年後見制度(法定後見・任意後見)では、資産を積極的に活用する場合や生前贈与等をするときに制約があります。
判断能力があるうちから、家族信託によって資産の管理・処分を家族に託すことで、
判断能力を喪失した後の財産管理を信託契約時の本人の意向に沿った財産管理を実行できることになります。

さらには、受託者の責任と判断で積極的な資産運用・資産の入換え(不動産の売却・買換・建物の建設等)もすることができます。

2.法定相続ではできない資産承継を実現

通常の遺言では、次の資産承継先の指定のみができますが、
家族信託を活用すれば、次の次、またはは次の次の次の資産承継者の指定もすることができます(受益者連続信託)。

3.財産の共有等によるトラブルが発生の予防

共有不動産は共有者全員が協力しないと処分することができません。
家族信託を活用すれば、共有者(又は共同相続人)としての権利・財産的価値の公平性に配慮しながら、
管理処分権限を共有者の一人に集約させて、不動産の運用・処分をすることができます。

4.後見制度との併用も有効

家族信託では財産の管理をすることができますが、委託者の代わりに法律行為などをすることができません。
成年後見制度の任意後見契約を併用すれば、この問題を解決することができます。

家族信託の小冊子を作成しました。

家族信託は2007年に施行されました
家族信託は2007年に施行されました

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