今回は家族信託契約書に記載する内容について解説いたします。家族信託契約書は家族の財産管理や相続計画を明確にする重要な文書です。この契約書には信託の目的、信託財産、受益者の権利・義務、信託期間などを明示します。また、贈与税や信託再構築の条件、契約解除の事項も詳細に規定します。明確で透明な契約書は将来のトラブルを防ぎ、家族の資産を効果的に管理するための基盤となります。契約書の作成には法的アドバイスを仰ぎ、家族の合意を取り入れることが重要です。
また、作成するときのポイントについても紹介します。

この記事の目次
家族信託契約書に書く内容
第1条(本契約の趣旨)
家族信託の契約の趣旨について書きます。この条項で契約書で家族信託契約を締結していることを宣言します。
例
委託者○○は、受託者●●に対し、信託の目的を達成するために、
信託財産を管理、運用、処分およびその他目的達成のために
必要な行為をすることを依頼し、受託者●●はこれを引き受けた。
第2条(信託の目的)
この家族信託の契約は、どのような目的で締結されたものかを明確にします。
例
本件家族信託は、受託者が信託財産を適正に管理・運用・処分することによって、受益者の生活等に必要な財産を確保および給付等をして、受益者およびその家族の生活の安定をはかりながら、信託財産の円滑な承継を目的とする。
ここで、家族信託を活用したときに、受益者にどんなメリットがあるのか記載します。
第3条(信託財産)
信託財産に含まれる財産について説明します。
第4条(信託財産の追加)
1 信託財産に財産を追加できること。
2 信託財産に現金を追加するときについて
3 入金確認ができた場合について
第5条(受託者)
1.受託者の住所、名前、生年月日、を記入します。
2.どういう場合に、当初の受託者が財産管理の任務が終わり、
後継受託者が任務に就くのかについて記載します。
第6条(受益者)
1 受益者の名前、住所、生年月日を記載します。
2 当初受益者が死亡したときに、受益者を引き継ぐ人と割合を記載します。
第7条(受益権)
家族信託の受益権を譲渡したり、担保することができるかどうかを記載します。
第8条(委託者の地位)
委託者が亡くなったときに、相続人が委託者の地位を相続できるかどうかについて記載します
第9条(信託の終了)
家族信託が終了する場合の条件について記載します。
第10条(本件信託に関する登記等)
1 家族信託をした時の不動産登記について
2 信託財産の不動産から得られる利益の管理方法について
第11条(信託の内容)
1 不動産の運用、処分について
2 受益者の生活・看護・療養・納税等に必要な費用について
3 受託者の事務について
第12条(受託者の権限及び義務、信託の計算)
1 信託不動産の保存及び管理運用にについて
2 信託不動産に付する損害保険について
3 本件信託不動産の賃貸について
4 本件信託不動産の売却等について。
5 本件信託不動産から生じる果実について
6 本件信託不動産から生じる賃料等収益について
7 信託財産目録について
8 計算期日について
9 信託財産目録および収支状況報告書等の報告について
10 信託事務に必要な諸費用(旅費を含む。)について
11 本件信託が終了したときについて
第13条(信託の変更)
本件信託の内容の変更をすることができる方法について
第14条(清算事務)
1.清算受託者について
2 清算受託者が行う信託清算事務を行について
第15条(残余財産の帰属)
本件家族信託終了時の残余の信託財産の帰属先について
(1)委託者がが生存している場合について
(2)委託者が死亡している場合は、信託終了時の受益者に帰属させる。
以上です。家族信託契約書に書く具体的な内容や詳細はは家族の方や
行政書士や司法書士などの専門家などと一緒に決めていきます。
決めた内容をまとめて家族信託契約書を作成します。
そして、作成した家族信託契約書は公正証書化します。
家族信託の小冊子を作成しました。


[…] 家族信託の場合、家族信託契約書で、定めた当初の受益者が死亡した場合当初受益者の地位を引き継ぐ人が記載されていることが多いです。 […]