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準確定申告とは
・確定申告が必要な方が、確定申告する前に亡くなられた場合、亡くなられた方の代わりに相続人などが所得税の申告を行う必要があります。このことを準確定申告といいます。
準確定申告の対象者
準確定申告の対象者は、全員ではありません。下記のような人が対象者になります。
・個人で事業をしていた方
・2か所以上から給与を受けていた場合
・不動産所得があった方
・年間2千万円以上の給与があった方
・給与所得や退職所得以外の所得が合計で20万円以上あった場合
・譲渡所得や一時所得があった方
・医療費控除の対象となる高額の医療費を支払っていて、準確定申告をすることになり所得税の還付を受けられる場合
・貸付金の利子収入や家賃などの不動産収入を受け取っていた場合
など
準確定申告の手続
申告者
準確定申告の申告者は、相続人又は包括受遺者となります。
相続人、包括受遺者が複数名いる場合、各相続人が連署により準確定申告書を提出するような手続きになります。
なお、相続人間で争いがある場合、各相続人が別々に他の相続人の氏名を付記して提出をすることも可能です。
申告書の提出先
被相続人の死亡当時の住所地を管轄する税務署となります。
相続人の住所地を管轄する税務署ではありませんので気をつけてください。
申告の期限
死亡された方の相続人の方が1月1日から死亡した日までの所得を計算しておく必要があり、相続の開始があったことを知った翌日から4ヶ月以内に納税を行う必要があります。
たとえば、
知った日が5月4日なら4か月後の応当日である9月4日が提出期限となります。
通常の確定申告とは大いに異なりますので、注意が必要です。
・確定申告をするときは、通常、その年の1月1日から亡くなられた日までの分を、亡くなられた年の分として申告します。
・3月15日までに亡くなり、前年分の確定申告をしていない場合は、前年分の申告も必要になります。
準確定申告をしないといけない場合
・準確定申告は、必ずしないといけないものではありません。
・準確定申告をしないといけない場合は以下の場合です。
- 個人事業主であったり、不動産所得を得ていた場合。
- 公的年金を受給していた場合。
- 多額の医療費を支払った場合。
- 2箇所以上から給与を得ていた場合。
- 給与収入が2000万円以上だった場合。
- 給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円以上ある場合。
- 給与所得者で年末調整をしていない場合。
・確定申告をすると、還付を受けられる場合があります。還付を受けられる場合は、申告してください。
・社会保険料や生命保険料などの控除の対象となるのは、亡くなられた方が死亡したときまでに支払ったものとなります。
・亡くなられた方が消費税納税義務者だった場合、消費税の申告もする必要があります。
なお、対象期間内の所得につき、納税額がないときは、準確定申告手続は不要となります。
準確定申告書の提出方法
提出書類
・確定申告書第1表、第2表、確定申告書付表
提出先
・亡くなられた方が死亡したときの住所地を管轄している税務署
提出期限
・相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内
提出する人
・相続人など
必要なもの
・年金や給与の源泉徴収票、医療費の領収書など