相続人が行方不明の場合、遺産分割協議ができませんので、遺産分割ができません。その場合は、相続人がまだ生きている場合は、家庭裁判所に申告して、不在者のための財産管理人の選任、また、相続人の生死が不明な場合は、手続きや失踪宣告を請求することができます。

  • 相続人が行方不明の場合に行うこと 
  • 相続人が行方不明で家庭裁判所に失踪宣告した場合。

相続人が行方不明の場合に行うこと

家庭裁判所に申告して、不在者のための財産管理人の選任手続きを行ってください。

相続人の生死が不明なときは、失踪宣告の手続きを行ってください。

①相続人の生死が7年間わからないときは、家庭裁判所に失踪宣告を請求することが出来ます。

失踪宣告により、7年たったときに死亡したとみなされます。

②地震や洪水、津波などの危難に遭遇して、危難が去った後1年間その者の生死が不明なときも家庭裁判所に失踪宣告を請求することが出来ます。

失踪宣告により、危難が去ったときに死亡したとみなされます。

相続人の生死が不明なときは弁護士などの専門家に相談してみてください。

遺言書を書いていない場合は、相続人全員に相続権があります。
相続人の中に行方不明な方がいたり、生死が不明の方がいると財産管理人の選任手続きや失踪宣告の請求手続きが必要となり、相続手続きが大幅に遅れてしまいますので、生前に遺言書を書かれたほうがいいと思われます。

※相続人が海外にいて、話がまとまった後に、署名捺印をしますが、海外に住んでいる人は実印が登録されていないため、印鑑証明書がありません。

こういう場合は、居住地の大使館や領事館で「サイン証明」を発行してもらうことになります。この「サイン証明」が日本の印鑑証明書に代わるものとなります。

住んでいるところから大使館が遠かったり、何らかの理由で大使館で「サイン証明」を発行してもらうことが難しい場合は、日本に一時帰国して、住民票を日本に移し、同時に印鑑証明書を取得することができます。

日本の公証役場で必要となる本人確認書類は以下のものとなります

  •  パスポート
  •  海外の住所がわかるもの(在留証明書や免許証など)

これらの書類を持参して、契約書、遺産分割協議書、委任状などに自分で署名することにより、当該書類に当人が署名したという“サイン証明”を作成することができます。

この「サイン証明」も日本の印鑑証明書と同じように公的な証明書類として取り扱われます。

しかし、不動産の相続登記手続きをするときには注意が必要となります。海外に住んでいる人が不動産を相続する場合には、登記手続きを行うときには、サイン証明した遺産分割協議書以外に「在留証明書」が必要となります。

さらに、預貯金や有価証券などの相続手続きをするときには、各金融機関指定の必要書類がありますので、「サイン証明つきの遺産分割協議書」だけでは相続手続きができない可能性があります。

そのため、海外に住んでいる方は、住んでいるところから大使館が遠かったり、何らかの理由で大使館で「サイン証明」を発行してもらうことが難しい場合でも、結果的には、居住地の大使館や領事館で「サイン証明」と「在留証明」を取得したほうが、スムーズに相続手続きができる場合があります。

とりあえず日本に帰国して手続きすれば何とかなると思っている方もいるかもしれませんが、日本に帰国する前に、相続手続きをするときにはどんな書類が必要か、確認をされたほうがいいと思います。不明な点がありましたら、行政書士などの専門家に確認してください。

相続人が行方不明で家庭裁判所に失踪宣告した場合。

相続人が行方不明の場合、ドラマなどでは、探偵に探してもらうことが多いですが、家庭裁判所に失踪宣告をすると、裁判所が礼状で全国警察官に指示をして探してもらうことができます。

相続人が行方不明

探偵に依頼をすると数十万かかりますが、家庭裁判所に依頼すると六千円ぐらいで探してもらうことができます。

この失踪宣告を申し立てると、かなりの高い確率で行方不明者を見つけることができます。

それでも見つからない場合は、戸籍上亡くなったことにしてもらうことが出きます。

最近増えている行方不明者の例としてDV被害者がシェルターに避難している場合があります。DV被害者の場合は、役所が住民票を交付してくれない場合があります。また、シェルターに入っていると、外部の人と一切連絡を取ることができなくなりますし、施設の人は何も教えてくれません。そのため、相続の手続きが止まってしまうことがあります。

戸籍にはクリーニングという制度があります。これは離婚した形跡などを現在の戸籍から抹消できるというものです。離婚後に転籍をすると戸籍から離婚した内容が記載されなくなります。

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相続人が行方不明

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