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相続税の申告
・被相続人の財産に対して相続税が課されます。
・国税庁の発表によりますと、2014年度の死亡者は127万人で、このうち相続税の課税対象となった被相続人は5万6千人です。課税対象者の割合は4.4%となっていますが、2015年以降に亡くなった方は、基礎控除額が引き下げられましたので、課税対象者の割合は全国で8.1%に上昇しました。
・原則、相続税の申告は、相続財産を引き継いだ相続人全員で共同して行います。
・生命保険は民法上、保険契約者により保険金受取人が指定されているので、保険金受取人固有の財産となり、遺産分割協議の対象にはなりませんが、相続税法上では相続財産とみなされます。
・内縁の妻が生命保険の受取人になっている場合は、被相続人の相続財産によっては相続税の対象者になる可能性がありますので気をつけてください。
・相続税の申告をすると優遇措置が受けられますが、相続税の申告をする場合には必ず遺産分割協議を行っていることが必須条件となりますので、相続手続きはなるべく早く始めたほうがいいです。
・相続税の支払いは、原則現金支払いとなります。例外的に、延納や物納が認められる場合がありますが、最近では延納や物納をするための条件が厳しくなり、ほとんど認められなくなっていますので気をつけてください。
・遺産分割協議は減速やり直しをすることはできませんが、遺産分割協議のやり直しをした場合は、贈与税の対称になる場合がありますので、気をつけてください。
・法人税や所得税には税務調査がありますが、相続税にも同じように税務調査があります。相続税の申告漏れなどがありますと、約1年後に税務調査が入る場合がありますので気をつけてください。
・税務調査が入ると相続財産をどういう風に使ったのかなどいろいろ質問され面倒なことになります。
・後日税務調査が入る可能性がありますので、相続税の手続きが終わったからと言って証拠書類などは捨てずに残しておいたほうがいいかもしれません。
・最近では、相続税の課税対象になっているにもかかわらず、相続税の申告をしていない人が増えています。その場合、加算税を多くとられることがありますので気をつけてください。
・専業主婦の方が、被相続人から生活費を受け取っていて、節約して貯金した場合は、名義預金(被相続人の預金)とみなされてしまうため相続税の対象となる可能性があります。また、生前に子の承諾を受けずに孫のために貯金をしたり、被相続人の預金を配偶者の名義に変更してしまうと、これも、「名義預金」や「生前贈与」に該当し、相続税の対象になる可能性がありますので気をつけてください。
所得税の準確定申告
・被相続人に所得がある場合は、確定申告が必要となります。
・確定申告をする場合は、相続人全員からの申告が必要となります。
・申告期限は被相続人が亡くなられてから4ヶ月以内です。
・所得税の対象となるのは1月1日から亡くなられるまでにあった所得です。
・被相続人にマンションの家賃収入などがあり、12月31日までに遺産分割協議が整わない場合は、家賃収入は相続人全員の所得となりますので、相続人全員がそれぞれ確定申告をする必要があります。
・所得が増えたことにより、社会保険の扶養が外れてしまう可能性がありますので、遺産分割はその年の内に終わらせたほうがいいです。
・最近の最高裁判所の判例で、マンションの家賃収入などの法定果実は遡及しないという判決が出ました。そのため、遺産分割協議が整わない間は、マンションの家賃収入などの所得は相続人全員が法定相続分で相続していることになります。
・詳しい内容は税理士に確認お願いします。