今回は相続財産の査定とエンディングノートについて解説いたします。
相続財産は、現金や預貯金、株式、公社債だけではなく、土地や家などの不動産、貴金属、書画骨とうなども含みます。
そのため、相続税額を計算するには、その価値を金銭で評価して、その評価額に基づいて、相続財産の総額が決定します。
相続財産は、原則として相続開始日の時価で評価されます。
この記事の目次
【不動産について】
・不動産の価格は、評価する機関などで変わってきます。
・固定資産税で評価される価格や、路線価で計算した価格と、実際に市場で売買される価格で違いが出てくる場合があります。
・不動産の立地状況や建物の状態によっても価格が変わってきます。
・田畑、山林などはなかなか購入者が出てきませんので、価格が変わる場合があります。
・長い間ぜんぜん使われていなかった土地の価格も変わる場合があります。
・生前に、所有している不動産を売却するときにいくらぐらいで売れるのか査定書などを作っておくと、相続手続きのときに役立ちます。
・査定をしてもらうときに、子の不動産が売却しやすいか、何か条件をつけないと売ることができないかなど、いろんなことがわかってきます。
・相続人が全員独立していたり、県外に住んでいて、相続のときに不動産を売却することになると予想できる場合は、不動産をすぐに売却できるように準備をしておいたほうがいいかもしれません。
・売却しにくい不動産については、査定の結果、予想価格より低い場合は、知人に譲ったりするなど、違う方法で処分されたほうがいいと思われます。知人に譲れば、自分がなくなった後も、知人と相続人との人間関係が続くかもしれません。
【動産について】
・最近ぜんぜん使っていないゴルフ会員権や、リゾート会員権、フィットネスクラブやジムの会員権も相続の対象となります。
・趣味で集めた絵画や茶道具、美術品も相続の対象となりますので、生前にいくらぐらいで売ることができるか鑑定してもらうと相続手続きのときに役立ちます。
・今の財産状況を調べたり、在宅介護の準備をするためにも、身の回りのいらないものを整理したほうがいいです。
・身の回りを整理するときには以下のように3つのグループに分けると整理しやすいです。
- いつも使うもの
- あまり使わないもの
- まったく使わないもの
このように整理をすると、②のあまり使わないものが多くなると思います。その中から、一度でも使ったものを①のいつも使うものに移動して、1年以上たっても②のあまり使わないものに残っているものは、必要の無いものですので、それから1年たっても使わなかったら処分したほうがいいです。
思い出のある服や生活雑貨などは、写真にとってDVDなどに保存するといいと思います。
・終活の中に身の回りの物の整理がありますが、このときに便利なのがエンディングノートです。
・換金ができるものは相続財産となりますが、換金ができなくて、子孫に残したいことはエンディングノートに書いて伝えることができます。エンディングノードを書くことによって、いろんなことがわかり、今後の人生を充実できるようになるので、ぜひ書いてみてください。
エンディングノートについてはこちらをご参照ください