認知症になると、不動産の売却に関するトラブルが起こることがあります。例えば、自宅を売却したいと思っても、認知症によって意思能力が低下し、売却が難しくなることがあります。また、認知症によって周りの人にそそのかされ、勝手に不動産を売却されてしまうこともあります。さらに、認知症の人が十分に理解していないまま不動産を購入させられてしまうこともあります。

認知症になると不動産を売却できない

具体的には、以下のようなトラブルが考えられます。

まず、自宅を売却したいと思っても、所有者本人しか不動産を売却することができません。しかし、認知症になると、売却したいと思っていても自分で売却手続きを行うことができなくなってしまいます。そのため、不動産の売却が難しくなり、所有者本人が望む形で売却することができなくなる可能性があります。

次に、認知症になると周りの人にそそのかされ、勝手に不動産を売却されてしまうことがあります。例えば、認知症の人が自分の意思で不動産の売買契約書に捺印することができなくなった場合、周りの人に不動産を売却することをすすめられ、そのまま売却されてしまうことがあります。このような場合、トラブルが発生する可能性があります。

さらに、認知症になった人が十分に理解していないまま、不動産を購入させられることもあります。例えば、介護が必要になり、バリアフリーの環境を整えた住宅が必要になった場合、周りの人に勧められて、不動産を購入することになるかもしれません。しかし、認知症によって意思能力が低下している場合、購入手続きを理解することができず、トラブルが発生する可能性があります。

以上のように、認知症によって不動産の売買に関するトラブルが起こることがあるため、認知症になった場合は、周りの人と協力して、適切な対応をする必要があります。

まずは、認知症になった場合に備えて、事前に相続や遺言などの手続きを済ませておくことが重要です。これにより、不動産の相続や売却に関する手続きが円滑に進むようになります。

また、認知症の方が不動産の売買に関する契約書に署名する際には、契約書の内容を理解しているかどうかを確認する必要があります。認知症の方の意思確認をするためには、家庭裁判所による成年後見制度の申し立てが必要になります。

成年後見制度は、認知症の方などの意思決定能力が低下した人が、自己の財産や身体の管理を代理する人を選任する制度です。選任された後見人は、本人の利益を第一に考え、適切な判断を行います。不動産の売買に関する契約書に署名する際には、後見人の同意が必要となります。

さらに、認知症の方が不動産を売却する場合は、家族や親族だけでなく、司法書士や不動産業者などの専門家の助言を仰ぐことが大切です。不動産の評価額や手数料、契約内容など、専門的な知識が必要な場合があります。専門家のアドバイスを受けることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

以上のように、認知症による不動産の売買には様々なトラブルが潜んでいます。認知症の方が安心して暮らせるよう、周りの人たちが協力し、適切な対応をすることが重要です。

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