認知症の初期症状(中核症状)が出てくると、住んでいる環境や家族などの接し方によって他の症状がでてきます。この症状のことを認知症の行動・心理症状といいます。
この記事の目次
妄想
実際には起きていないことを本当に起きたことのように信じてしまいます。
例えば、何もしていないのに財布や物が盗まれたなどと言われる「もの取られ妄想」などがあります。
幻覚
現実には存在していない知覚の情報を、本当に存在しているかのように体験する症状です。
例えば、そこには何もないのにものを見たり聞いたりする(幻視が多い)
不安、依存
認知症になって、様々な認知機能が落ちてくると、日常生活に支障が出てきます。そのため、突然イライラして落ち着かなくなったり、一人になると落ち着かなくなります。そのため、一人ではいることができなくなります。
徘徊
家から外に出て、あてもなくうろうろと歩き回る行動 のことをいいます。家の中でも歩き回る場合もあります。外出して帰り道が分からなくなることもあります。
暴言、暴力
認知症になって、不安を感じ、混乱したり、自分の感情のコントロールがうまくいかなくなり、急に大声を上げたり、暴力をするようになります。
抑うつ
認知症になって、いろんな認知機能が低下すると、日常生活に支障が出てきます。 そのため、できないことがだんだん増えてくるようになり、気分も落ち込んでいきます。すると、何もしたくなくなり、悲観的になる
介護拒否
家族やヘルパーの方が介護をしようとしても、言うことを聞いてくれず、介護を拒否をするようになります。
例えば、食事や入浴、薬などを嫌がります。
異食
食べ物ではないものを口に入れてしまうことのことを言います。例えば、ビニール袋を飲み込もうとして窒息したり、洗剤を飲み込んでしまって、中毒を起こす危険性もあります。
不眠
高齢者になると、寝つきが悪くなり、眠りが浅くなって目覚めやすくなりますその反動で日中にうたた寝をするようになります。
認知症の行動・心理症状の悪循環
認知症の方に行動・心理症状が出現すると介護者の負担は増えます。そのため、介護をする方はイライラしたり不安になったり、ストレスを感じることも増えてきます。このような心理状態で介護をすると不適切なケアを生むことになり、その不適切なケアが認知症の方の行動・心理症状を悪化させていくという悪循環が生まれる場合があります。