認知症を代表する三大認知症として、「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「血管性認知症」があります。認知症のうち、アルツハイマー型認知症の方が約50%。次に多いレビー小体型認知症の方約20%、そして血管性認知症の方が約15%となっています。これらは「三大認知症」といわれ、全体の約85%を占めています。
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アルツハイマー型認知症
もの忘れが多くなり、今まで日常生活でできたことが少しずつできなくなっていきます。
教えてもらったことが記憶できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなるなどの症状が出てきます。さらにひどくなると、物盗られ妄想や徘徊などの症状が出ることがあります。
原因
βたんぱくやタウたんぱくと呼ばれる異常なたんぱく質が脳に蓄積していき、神経細胞を破壊して、脳が年単位でゆっくりと萎縮して(縮んで)しまいます。脳の中には記憶を担っている海馬という部分がありますが、この海馬から萎縮が始まり、だんだんと脳全体に広がります。
この異常なたんぱく質は、加齢によっても増えていきますが、糖尿病や高血圧などの生活習慣病になっていると増えやすいといわれています。
主な症状
認知機能障害
見当識障害
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、70代以降に見られることが多い認知症で、レビー小体(α-シヌクレイン)という異常なタンパクが大脳皮質や脳幹にたまって、神経細胞を破壊していき、神経をうまく伝えられなくなって発症します。「(いるはずのない)人が家の中にいる」、「影や衣服がほかの物や人に見える」などのはっきりした幻視などような症状が出てきます。また多くのレビー小体型認知症の方は、アルツハイマー型認知症に見られる脳の変化を合併していると言われています。
脳血管性認知症
脳血管性認知症は60歳以上の男性に多く見られる症状で、脳梗塞や脳出血などで血管がつまったり出血することにより、脳の細胞に酸素が送られなくなって、神経細胞が死んでしまうことで認知症を発症します。 もの忘れなどがあっても判断力の低下はみられないなど、症状がまだらに現れます。そのため、脳血管性認知症は、「まだら認知症」とも呼ばれます。
高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が原因で脳血管障害が起こりやすくなります。特に高血圧になると、脳血管性の原因となる脳梗塞になりやすくなります。