夫婦ともに65歳を過ぎて年金生活を送っていて、
亡くなられた夫が現役時代会は社員をしていた場合。
要件を満たしている場合は、遺された妻には厚生年金保険制度の遺族年金として遺族厚生年金が支給されます。
この記事の目次
遺族年金とは
・遺族年金とは、亡くなられた方が、国民年金あるいは厚生年金に加入していた場合、残された遺族に支給される公的年金制度のことです。
・遺族年金には以下の2つがあります。
遺族基礎年金
・亡くなられた方が、国民年金の被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間を満たしたときに支給されます。
遺族厚生年金
・亡くなられた方が、会社員や公務員などで、厚生年金に加入していた場合支給されます。
・生計を支えていた人が亡くなり、遺族の暮らしを支えるのが遺族年金ですので、生計を維持されていたことが前提となります。
生計を維持されていた人の2つの要件
- 亡くなられた方と生計を同一にしていた。
- 将来にわたって得られる年収が850万円を超えない。
・故人が亡くなられたときに年収850万円以上あったとしても、将来5年以内に年収850万円を下回ると認められる場合は、遺族厚生年金の受給対象者になる可能性がありますので確認してみてください。
・年金で支給される金額は、賃金や物価の変動により変わります。
・亡くなられた方が加入していた年金や、家族構成によっても受け取れる金額が変わってきます。
・受給資格があっても、受給期間があったり、資格が消滅する場合もあります。
【遺族基礎年金受給者の要件】
支給要件
・国民年金加入中に亡くなられた。あるいは、老齢基礎年金の受給資格を満たした人が亡くなった。
・亡くなられた方に生計を維持されていた子がいる配偶者。または、配偶者がいない場合の子
受給資格
・故人が亡くなられた日の2ヶ月前までの加入期間のうち、3分の2以上の保険料納付済み期間などがある。
・故人が25年以上国民年金の保険料を納めていた。
・65歳未満の方が2026年3月31日までに亡くなられた場合は、亡くなられた日の属する月の2ヶ月前までの1年間に保険料の未納が無いこと。
受給権者
・亡くなられた方に生計を維持されていた子のある配偶者。(配偶者がいない場合はその子。)
【遺族厚生年金受給者の要件】
支給要件
・故人が遺族基礎年金の支給要件を満たしていた。
・故人が厚生年金加入中に亡くなった。
・故人は会社を退職していたが、被保険者期間中に患った病気や怪我が原因で、初診の日から5年以内に亡くなられた場合、
・故人が老齢厚生年金の資格期間を満たしていた。
・故人が1級・2級の障害厚生年金の受給資格があった。
受給資格
・故人が遺族基礎年金の受給資格を満たしていた。
・故人が亡くなられた日の2ヶ月前までの加入期間のうち、3分の2以上の保険料納付済み期間などがある。
・故人が2026年3月31日までに亡くなられた場合は、亡くなられた日の属する月の2ヶ月前までの1年間に保険料の未納が無いこと。
受給権者
・受給権者には以下の優先順位があります。
- 配偶者
- 子や孫
- 父母、祖父母
請求方法
請求先
・遺族基礎年金:住所地の市区町村役場
・遺族基礎年金以外:最寄りの年金事業所または年金センター
提出書類
・遺族基礎年金:年金請求書(国民年金遺族基礎年金)様式第108号(PDF 405KB)
・遺族厚生年金:年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)様式第105号(PDF 441KB)
提出に必要なもの
・年金手帳
・年金証書
・恩給証書
・戸籍謄本
・世帯全員の住民票の写し
・亡くなられた方の住民票の除票
・所得証明書
・課税(非課税)証明書
・子の在学証明書または、学生証など
・死亡診断書のコピー
・請求者の預貯金通帳
・印鑑
遺族厚生年金の受給について
・年金を受給する場合は、原則1人1年金となっていて、複数の年金を受け取れる条件を満たしている場合は、そのうちのひとつを選択することになっています。
・たとえば、老齢年金と障害年金の両方を受け取る条件を満たしているときは、どちら選択する必要があり、両方を受け取ることはできません。
・遺族年金は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を合わせてひとつとなっています。
・65歳以上で、遺族厚生年金と老齢厚生年金を受け取る権利がある方は老齢厚生年金が優先して支給されます。老齢厚生年金より遺族厚生年金のほうが高い場合は、その差額を老齢厚生年金に加算されて支給されます。
・複数の年金から選択した年金の受給権利を失ったり、支給停止になった場合、または、選択していた年金より選択していなかった年金のほうが高くなった場合は、選択していなかった年金に切り替えることができます。
・遺族年金は支給停止の条件を満たすと支給が停止されますが、状況が変わり至急停止の条件から外れると、支給が再開されます。
・配偶者が遺族年金を受給していたときに他の人と再婚すると、遺族年金の受給資格がなくなります。
・以前は遺族年金の受給権者は、子供のいる妻、子に限られていましたが、現在では、子供のいる配偶者、子に変更し、父子家庭でも遺族基礎年金を住できるようになりました。
【どちらか選択しないといけない年金】
- (遺族厚生年金+遺族基礎年金) OR 障害厚生年金
- (遺族厚生年金+遺族基礎年金) OR 旧厚生年金の遺族年金
- (遺族厚生年金+遺族基礎年金) OR 特別支給の老齢厚生年金
【両方とももらえる年金の組み合わせ】
- (遺族基礎年金 OR 老齢基礎年金) + 遺族厚生年金
- (遺族基礎年金 OR 障害基礎年金) + 遺族厚生年金
【遺族年金の受給権が消滅する要件】
- 受給権者が亡くなったとき
- 受給権者が配偶者で事実婚を含め、結婚したとき
- 受給権者が配偶者で、直系血族および直径姻族以外の方の養子になったとき
- 受給権者が配偶者で離縁などにより、亡くなられた人との親族関係が無くなったとき
- 受給権者が子や孫で、18歳になって、最初の4月1日を迎えたとき
・障害1級、2級の状態にある場合は20歳になって、最初の4月1日を迎えたとき
・障害1級、2級の状態にあり、18歳になって最初の4月1日を迎え、その後20歳になるまでに、障害1級、2級の状態でなくなったとき。
- 受給権者が父母・孫・祖父母の場合、亡くなられた人の死亡当時、胎児であった子が生まれたとき
- 受給権者が亡くなられた方の妻で、亡くなられた方の死亡当時30歳未満で子がいなくて、30歳になる前に遺族基礎年金を失ってから5年過ぎたとき
※詳細につきましては、最寄りの年金事務所または年金相談センターまたは社会保険労務士に確認お願いします。
※詳しい情報につきましては住所地の市区町村役場、最寄りの年金事業所または年金センターにお問い合わせください。