今回は、遺産分割協議書で遺産が預金のみの場合について解説します。
遺産分割協議書の書式は法律で決まっていませんので、相続財産を一括して作成しなければ効力が生じないということはありません。
そのため、財産の種類ごと、存在が判明した時点のものに区切って作成しても問題ありません。
したがって、預金のみを対象とする遺産分割協議書を作成することも可能です。
この記事の目次
預金のみを対象とする遺産分割協議書を書く場合
預金のみを対象とする場合、遺産分割協議書に記載するべき内容は次の5つです。
預金口座のある金融機関名
口座種類(普通・定期・当座)
口座名義
預金口座番号
相続の開始時点における預金残高
※その後に被相続人の葬儀費用等の支出があれば考慮が必要。
相続人の誰が引き継ぐか。またいくら引き継ぐか(金額または割合)
遺産分割協議書には相続人全員の署名・捺印が必要
分割方法が決定したら、遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書には相続人全員の署名と実印による捺印が必要です。
また、実印による捺印ですので、相続人全員分の印鑑証明書の添付が必要です。
遺産分割協議書は必要?
相続財産が預金一行のみなら、銀行の書類で預金の解約をすれば良いのではないか?と思われる方もいらっしゃると思います。
銀行の相続手続きの書類と遺産分割協議書の目的が違います。
銀行の相続手続きの書類は、被相続人名義の口座を相続人名義に変更するために必要な書類となります。
一方遺産分割協議書は、相続が起きた時、故人名義の預金口座の解約や証券口座の名義変更、不動産の名義変更などさまざまな手続きをする際は、原則として必要な書類です。
遺産分割協議書とは、「誰がどの財産をもらうのか」を相続人全員で話し合って、遺産分割協議で決定した内容をまとめ、署名・捺印をした書類です。
そのため、銀行で相続手続きをする場合は、銀行の相続手続きの書類と遺産分割協議書の両方が必要となりますので気を付けてください。