遺言書は、個人が生前に自らの財産や遺産分配に関する意思を明確に表明する文書です。その中には遺産の相続者や財産の分配、執行者の指定などが含まれており、故人の遺志を尊重し円滑な相続手続きを可能にします。この文書は法的に有効であり、死後の事態に備えるために重要です。遺言書の確認は、故人の遺志を尊重し、適切な手続きを踏む上での基本となります。

遺言とは

遺言とは故人が生前に、最後の意思表示を書面に書いて、亡くなられた後に現実のものとする書類です。遺言は、法律の定めに従った方式で作成する必要があります。遺言を残すことにより、家族で相続が発生することを防ぐ目的もあります。相続手続きをするときに最初に遺言書を確認することが重要です。

遺言の注意点

・この方式に従わずに作成した遺言は無効となります。

・遺言は意思能力があり、満15歳以上であれば作成することができます。

・遺言による法的効力は、相続人、相続分の指定など法律で定められたものに限定されています。

・遺言少々の方式には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があります。

・亡くなられた人が遺言書を残していた場合、相続人は遺言書に書かれている内容にしたがって、遺産を分割することが民法で定められています。

遺言書を探しましょう

亡くなられた方が、遺言書を書いたと言っていなくても、遺言書が保管されている可能性があります。遺言書には亡くなられた方の最後の意思が書かれていますので、いろんなところを探して遺言書を確認してください。家の中にない場合は、入院していた病院、貸金庫、弁護士事務所、公証役場などに保管されている場合がありますので確認してみてください。
公正証書遺言で遺言が書かれている場合は、遺言を作成した公証役場に原本が保管されています。そのため、公証役場にいくと、公正証書遺言があるか検索して確認することが出来ます。

自筆証書遺言の場合

■ 探す場所
• 自宅の金庫、本棚、机の引き出し、仏壇、枕の下、衣服のポケット
• 銀行などの貸金庫
• 親族、友人、知人に預けている。
• 弁護士や行政書士などの専門家に預けている。
• 会社や事務所

遺言書の書式や形式は、要件を満たしていれば遺言書として成立します。一見したらメモではないかと思われる、広告の裏にボールペンで書かれていた遺言書でも、要件さえ満たしていれば、遺言書として成立します。相続手続きで使える遺言書なのかどうか不明な場合は、弁護士や行政書士などの専門家に相談してみてください。

 

公正証書遺言の場合

■ 検索する場所
最寄りの公証役場
■ 検索できる人
相続人、相続人の代理人など
■ 必要なもの
① 遺言者の死亡が確認できる除籍謄本や戸籍謄本など
② 手続きを行う人が相続人であることが確認できる戸籍謄本など
③ 印鑑証明書や実印など
④ 代理人が検索する場合は委任状が必要
■ 手数料
無料  閲覧は1回につき200円 謄本は1枚につき250円

■ ホームページ

http://www.koshonin.gr.jp/ 日本公証人連合会

 

遺言書を見つけた場合

遺言書を見つけた場合、最初に自筆証書遺言か公正証書遺言かを見分ける必要があります。
テレビなどで遺言書を見たことがある方は多いと思いますが、実際に見たことがある方はあまり多くないと思います。

見分け方のポイント

自筆証書遺言の場合

• 本人が全文を自分で書いている
• 文末に日付が書かれている
• 本人の署名捺印が記載されている

※自筆証書遺言の場合は、要件さえ満たしていれば、様式や形式などは決まっていないので、広告の裏紙に書かれていたり、遺言書とかかれていない場合もあります。
また、日記の1ページに書かれている場合もありますし、封筒に入っていないものもあります。遺言に関することが書かれている書類が見つかった場合は、破棄をせずに、弁護士や行政書士などの専門家に相談してみてください。

公正証書遺言の場合

• 遺言書の文末に、本人の名前と公証人の名前、証人2人の名前が書かれている。
• 表紙に「公正証書遺言」と書かれている。
• 封筒に公証役場の名前が書かれている。
• 遺言書に公証人の名前や公証役場の名前が書かれている。

公正証書遺言の場合は、公証役場に原本が保管されていますので、公証役場に問い合わせてみてください。

遺言書を確認する

自筆証書遺言を見つけた場合

家庭裁判所で検認手続きの申請をする必要があります。

遺言書に書かれた内容と効力

遺言書に書かれた内容は法的に以下のような効力があります

① 相続分の指定
「長男に遺産の4分の3を相続させる」
② 相続人以外に財産を遺す指定
「介護でお世話になったXに有価証券を遺贈する。」
③ 結婚外で生まれた子の認知
「Bとの間に生まれた子のCを認知する。」
④ 遺産分割方法の指定
「妻に土地と建物を相続させる。」
⑤ 死後5年以内の遺産分割を禁止
「相続開始から5年間は遺産の分割を禁止する。:
⑥ 遺言執行者の指定
「長男を遺言執行人に指定する。」
⑦ 相続人の排除
「次男を排除する。」

※被相続人が認知症になった状態で遺言書を書くと遺言書が無効になった場合があります。

※ 相続人全員の合意があれば、遺言とは異なる内容にて被相続人の残した財産を分けることも出来ます。

※被相続人が遺言を残していた場合でも、その遺言の内容などに不備があり、無効となったときは遺言がない場合と同様の処理を行うこととなります。

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