大切な方を亡くされた時、悲しみの中でも避けて通れないのが相続の手続きです。「何から始めたらいいの?」「手続きが複雑で不安…」そんな思いをお持ちの方も多いでしょう。この記事では、相続手続きの流れを7つのステップに分けて、皆さんに寄り添いながらわかりやすく解説していきます。

📋 まずは全体の流れを把握しましょう

相続手続きの流れとは

相続手続きは、亡くなられた方(被相続人)の財産を整理し、法律に従って相続人に分配する大切な手続きです。期限が決まっているものもあるので、まずは全体像を把握することから始めましょう。政府広報オンライン

🕐 期限別に見る主な手続き

7日以内

  • 死亡届の提出
  • 火葬許可証の取得

14日以内

  • 年金受給者死亡届の提出
  • 介護保険資格喪失届
  • 世帯主変更届(該当する場合)

3ヶ月以内

  • 相続放棄・限定承認の選択

4ヶ月以内

  • 準確定申告(被相続人の所得税申告)

10ヶ月以内

  • 相続税の申告・納税

1年以内

  • 遺留分侵害額請求

3年以内

  • 相続登記(不動産の名義変更)
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🔍 ステップ1:遺言書の確認~最初にやるべき大切なこと

相続手続きの第一歩は、故人が遺言書を残していないかを確認することです。遺言書がある場合とない場合では、手続きが大きく変わります。

📜 遺言書の種類と対応

自筆証書遺言・秘密証書遺言の場合

  • 家庭裁判所での検認手続きが必要
  • 遺言書を発見しても、勝手に開封してはいけません

公正証書遺言の場合

  • 検認手続きは不要
  • そのまま相続手続きを進められます

💡ポイント 遺言書が見つからない場合でも、公証役場で公正証書遺言の有無を調べることができます。最寄りの公証役場に相談してみましょう。

👨‍👩‍👧‍👦 ステップ2:相続人の調査と確定

遺言書の確認が済んだら、次は誰が相続人になるのかを正確に調べます。これは思っているより重要で複雑な作業です。

📋 必要な書類

被相続人の戸籍謄本

  • 出生から死亡まですべての戸籍が必要
  • 転籍がある場合は、複数の市町村で取得

相続人全員の戸籍謄本

  • 現在の戸籍謄本
  • 相続人が先に亡くなっている場合は、その方の相続人の戸籍も必要

🏛️ 法定相続人の順位

  1. 第1順位:配偶者と子(子が亡くなっている場合は孫)
  2. 第2順位:配偶者と親(子がいない場合)
  3. 第3順位:配偶者と兄弟姉妹(子も親もいない場合)

💡ポイント 戸籍の収集は時間がかかることが多いです。平日に役所に行けない場合は、郵送での取得も可能ですが、さらに時間がかかるので早めに着手しましょう。


💰 ステップ3:相続財産の調査~プラスもマイナスも把握

相続では、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も引き継ぎます。正確な財産調査が重要です。

✅ プラスの財産

現金・預貯金

  • 銀行、信用金庫、ゆうちょ銀行などの口座
  • タンス預金や金庫の現金

不動産

  • 土地・建物・マンション
  • 固定資産税の納税通知書で確認
  • 権利証や登記識別情報で詳細確認

有価証券

  • 株式・投資信託・債券
  • 証券会社の取引残高報告書で確認

その他の財産

  • 生命保険金(みなし相続財産)
  • 退職金
  • 自動車
  • 貴金属・骨董品
  • ゴルフ会員権など

❌ マイナスの財産

借金

  • 住宅ローン
  • クレジットカードの未払い
  • 消費者金融からの借入
  • 個人間の借金

未払い費用

  • 税金の滞納
  • 医療費の未払い
  • 家賃や光熱費の未払い

💡ポイント 信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター)で借金の調査も可能です。相続人であれば開示請求できます。


⚖️ ステップ4:相続方法の選択~3ヶ月以内の重要な判断

相続財産の調査結果を踏まえて、どのように相続するかを決めます。この選択は相続開始を知った日から3ヶ月以内に行う必要があります。

🎯 3つの選択肢

1. 単純承認

  • プラスの財産もマイナスの財産もすべて引き継ぐ
  • 特別な手続きは不要
  • 3ヶ月間何もしなければ自動的に単純承認となります

2. 相続放棄

  • すべての財産を放棄する
  • プラスの財産もマイナスの財産も一切受け取らない
  • 家庭裁判所への申述が必要
  • 借金が多い場合に選択

3. 限定承認

  • プラスの財産の範囲内でマイナスの財産も引き継ぐ
  • 相続人全員が共同で行う必要がある
  • 家庭裁判所への申述が必要
  • 実際にはあまり利用されていません

💡ポイント 相続放棄をすると、その人は最初から相続人でなかったことになります。借金を避けたい場合の有効な選択肢ですが、プラスの財産も一切受け取れなくなります。

🤝 ステップ5:遺産分割協議~話し合いで決める相続

相続方法が決まったら、具体的に誰がどの財産を相続するかを決めます。これが遺産分割協議です。

📝 遺産分割の方法

1. 現物分割

  • 不動産はA、預金はBというように、現物をそのまま分ける方法
  • 最も一般的な方法

2. 代償分割

  • 一人が多くの財産を相続し、他の相続人に現金を支払う方法
  • 不動産を分けられない場合に有効

3. 換価分割

  • 財産を売却して、その代金を分ける方法
  • 現金化して平等に分けたい場合に利用

4. 共有分割

  • 財産を共有名義にする方法
  • 将来のトラブルの原因となりやすいため、あまり推奨されません

⚖️ 法定相続分とは

法律で定められた相続割合の目安です:

配偶者と子の場合

  • 配偶者:1/2
  • 子:1/2(子が複数の場合は均等に分割)

配偶者と親の場合

  • 配偶者:2/3
  • 親:1/3

配偶者と兄弟姉妹の場合

  • 配偶者:3/4
  • 兄弟姉妹:1/4

💡ポイント 法定相続分はあくまで目安です。遺産分割協議では、相続人全員が合意すれば、法定相続分と異なる分割も可能です。

📄 遺産分割協議書の作成

話し合いがまとまったら、遺産分割協議書を作成します:

記載事項

  • 被相続人の情報
  • 相続人全員の情報
  • 各財産の詳細
  • 誰がどの財産を相続するか
  • 相続人全員の署名・押印(実印)

💡ポイント 遺産分割協議書は、後の各種手続きで必要になる重要な書類です。不動産の登記や銀行での手続きなどで使用します。

💸 ステップ6:税務手続き~期限内に確実に

相続には2つの重要な税務手続きがあります。

📊 準確定申告(4ヶ月以内)

被相続人の亡くなった年の所得税の申告です:

対象者

  • 事業所得や不動産所得があった方
  • 給与所得が2,000万円を超えていた方
  • 複数から給与をもらっていた方など

申告期限 死亡日の翌日から4ヶ月以内

💡ポイント 準確定申告により税金が還付される場合もあります。面倒でも確認してみましょう。

💰 相続税の申告(10ヶ月以内)

すべての相続で必要というわけではありません:

基礎控除額 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

例:相続人が配偶者と子2人の場合 3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

相続財産の総額が4,800万円以下であれば、相続税はかかりません。

申告期限 相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内

相続税の計算の仕組み

🎯 相続税の主な特例

配偶者の税額軽減

  • 配偶者の相続分が1億6,000万円または法定相続分までは相続税なし

小規模宅地等の特例

  • 居住用宅地:330㎡まで80%減額
  • 事業用宅地:400㎡まで80%減額

💡ポイント 特例を使って相続税が0円になる場合でも、申告書の提出は必要です。忘れずに申告しましょう。

🏠 ステップ7:各種名義変更手続き

相続財産の名義を相続人に変更する手続きです。

🏡 不動産の相続登記(3年以内)

2024年4月から相続登記が義務化されました:

必要書類

  • 被相続人の戸籍謄本(出生~死亡)
  • 相続人の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 固定資産評価証明書

申請先 不動産の所在地を管轄する法務局

💡ポイント 相続登記をしないと、将来売却や担保設定ができなくなります。早めに手続きを済ませましょう。

🏦 銀行口座の手続き

必要書類

  • 被相続人の死亡が記載された戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書
  • 相続人の印鑑証明書
  • 通帳・キャッシュカード

手続きの流れ

  1. 銀行への死亡届(口座凍結)
  2. 相続手続き書類の提出
  3. 新しい口座への振替または現金での受取

🚗 自動車の名義変更

手続き先 運輸支局または自動車検査登録事務所

必要書類

  • 車検証
  • 被相続人の戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書
  • 印鑑証明書

💡ポイント 自動車の価値が100万円以下の場合は、簡単な手続きで済む場合があります。

🚨 期限を過ぎてしまった場合の対処法

万が一期限を過ぎてしまっても、諦める必要はありません:

相続放棄(3ヶ月超過)

  • 相続財産の存在を知らなかった正当な理由があれば、期限の延長が認められる場合があります
  • 家庭裁判所に相談しましょう

相続税申告(10ヶ月超過)

  • 無申告加算税や延滞税がかかりますが、申告は可能です
  • 早急に税理士に相談しましょう

相続登記(3年超過)

  • 2024年4月から義務化されましたが、過料の対象となる可能性があります
  • 早めに手続きを済ませましょう

💡 専門家に依頼するタイミング

相続手続きは自分でもできますが、次のような場合は専門家への依頼を検討しましょう:

🏢 依頼先と得意分野

弁護士

  • 相続人間のトラブル
  • 遺産分割協議の代理
  • 遺留分侵害額請求
  • 相続放棄の手続き

税理士

  • 相続税の申告
  • 準確定申告
  • 税務調査対応

司法書士

  • 不動産の相続登記
  • 家庭裁判所での手続き
  • 戸籍等の書類収集

行政書士

  • 遺産分割協議書の作成
  • 各種書類の作成代行

💰 費用の目安

弁護士

  • 相談料:30分5,000円~1万円
  • 遺産分割協議:30万円~(遺産額により変動)

税理士

  • 相続税申告:50万円~(遺産額により変動)

司法書士

  • 相続登記:5万円~15万円

💡ポイント 複雑な相続の場合、最初から専門家に相談することで、結果的に時間と費用を節約できることも多いです。

📋 相続手続きのチェックリスト

相続手続きを漏れなく進めるためのチェックリストを作成しました:

📅 死亡直後~1ヶ月

  •  死亡届の提出(7日以内)
  •  火葬許可証の取得
  •  年金受給者死亡届の提出(14日以内)
  •  介護保険資格喪失届の提出(14日以内)
  •  世帯主変更届の提出(14日以内・該当者のみ)
  •  遺言書の確認
  •  相続人調査の開始
  •  相続財産調査の開始

📅 1ヶ月~3ヶ月

  •  相続人の確定
  •  相続財産の確定
  •  相続方法の選択(単純承認・相続放棄・限定承認)
  •  相続放棄の申述(必要な場合・3ヶ月以内)

📅 3ヶ月~4ヶ月

  •  準確定申告(4ヶ月以内・対象者のみ)
  •  遺産分割協議の開始

📅 4ヶ月~10ヶ月

  •  遺産分割協議書の作成
  •  相続税の申告・納税(10ヶ月以内・対象者のみ)

📅 10ヶ月以降

  •  不動産の相続登記(3年以内)
  •  銀行口座の名義変更
  •  自動車の名義変更
  •  生命保険金の請求
  •  その他の名義変更手続き

🌟 まとめ:一歩ずつ確実に進めましょう

相続手続きは確かに複雑で時間のかかる作業ですが、一つひとつのステップを確実に踏んでいけば必ず完了できます。大切なのは以下のポイントです:

1. 期限のある手続きを最優先に 相続放棄(3ヶ月)、準確定申告(4ヶ月)、相続税申告(10ヶ月)は絶対に忘れずに。

2. 早めの着手が重要 戸籍収集や財産調査は想像以上に時間がかかります。早めにスタートしましょう。

3. 記録を残す 手続きの進捗や重要な書類の保管場所は記録に残しておきましょう。

4. 困ったら専門家に相談 一人で抱え込まず、適切なタイミングで専門家の力を借りることも大切です。

5. 相続人同士のコミュニケーション 遺産分割では、相続人同士の話し合いが重要。お互いを思いやる気持ちを忘れずに。

相続は、亡くなられた方の意思を尊重し、残された家族が円満に過ごせるようにするための大切な手続きです。相続手続きの詳細な流れも参考にしながら、焦らず一歩ずつ進めていってください。

何より大切なのは、一人で悩まないことです。わからないことがあれば、専門家や関係機関に相談し、確実に手続きを進めていきましょう。亡くなられた方への想いを胸に、家族みんなで乗り越えていけることを心から願っています。