今回は相続発生後の公共料金などの手続きについて解説いたします。
電気・ガス・水道など、契約者が亡くなった方になっている場合は、なるべく早く契約者名も変更してください。
支払方法を亡くなれた方の口座振替の引き渡しにしている場合は、亡くなられた方の口座が凍結して引き落としができなくなります。
引き落としが出来ていない状況が続くと取引が停止される恐れがあります。
契約者名の変更は電話連絡ですることができます。
公共料金の手続きを忘れていると、無駄に料金を支払うことになる場合がありますので、気をつけてください。
公共料金
・電気、ガス、水道などの公共料金の契約名義人が亡くなられた方になっている場合には、契約者の名義変更が必要となります。
・亡くなられた方が、電気・ガス・水道代を銀行口座からの引き落としで支払っていた場合、引き落とし口座の変更も必要となります。
・亡くなられた方名義の銀行口座が凍結されると、銀行口座からの引き落としができなくなるため、公共料金の支払いができなくなりますので気をつけてください。
・契約者名義の変更手続きは、窓口することができますが、郵送・電話・インターネットでもできる場合がありますので、窓口にいけない場合は、電話で確認してみてください。
・亡くなられた方の家に誰も住まなくなり、電気・ガス・水道などを利用しない場合は、利用廃止届出をしてください。
・今後も亡くなられた方の家に住み続けて、電気・ガス・水道などを継続して利用する場合は、カスタマーセンターや営業所などに連絡して、引き落とし口座変更手続きの書類を取り寄せて、変更手続きを行ってください。
・手続き内容:名義変更、支払い方法の変更、利用廃止
・手続き先:各事業主のカスタマーセンター、または営業所
・用意するもの:使用料金の通知書などお客様番号がわかるもの。

NTTなどの固定電話
・固定電話の場合、電話加入権の相続手続きが必要となります。
・相続手続きに必要な書類は、承継・改称届出書と戸籍謄本などの必要書類となります。
・書類の提出は郵送でもできます。
・電話加入権は相続税の対象となります。
・手続き内容:電話加入権の名義変更、利用停止、一時中断、解約
・手続き先: 電話会社のカスタマーセンター
・用意するもの: 亡くなられたことの事実を証明できる書類、相続関係が確認できる書類、新規契約する場合は印鑑が必要。
携帯電話・インターネット・新聞
携帯電話
・携帯電話の手続きをする場合は、亡くなられた方の携帯電話と死亡診断書などの死亡の事実が確認できる書類や、手続きを行う方の身分証明書と印鑑を持参して、最寄りの携帯電話のお店で手続きを行います。
・手数料はかかりません。
・亡くなられた方の携帯電話の契約の名義変更か解約をしないと毎月の使用量を払わないといけなくなります。解約日までの使用料は請求されますので、早めに手続きを行ったほうが良いです。
・契約者が亡くなられて、解約する場合は、契約解除料は発生しません。
インターネット
・インターネットの回線業者、プロバイダーに連絡をして、名義変更や解約手続きを行います。
・プロバイダーなどの連絡先は、契約書やご利用明細書に書かれています。連絡をするときに、契約者番号やIDがあるとスムーズに手続きを行うことができます。
・インターネットをする場合、ほとんどの場合、ルーターやモデムを借りています。インターネットを解約する場合には、返却する必要がありますので、連絡をしたときに確認してください。
・携帯電話と同じように、毎月使用量を払っていますので、請求書が届いたときには、今後も継続して使うかどうかの確認が必要となります。クレジットカードなどで支払っている場合は、請求書が届かない場合がありますので注意が必要です。
・通販などで定期購入などの契約をしている場合は、早めに確認してください。連絡をしないと定期便が発送され、商品代を支払わないといけなくなります。
新聞
・新聞を購読されていた方が亡くなった場合も手続きが必要となります。
- 新聞の購読をやめる場合は解約手続き
- 新聞の購読を続ける場合は名義変更手続き
・連絡先は最寄りの営業所または販売店になります。
福井新聞の販売店一覧のサイト
・手続き内容:名義変更、解約
・手続き先:電話会社のコールセンター、インターネットプロバイダーのカスタマーセンター
・用意するもの:
- 名義変更する場合:相続関係を証明できる書類。引き継ぐ方の身分証明書など
- 解約する場合:亡くなられた方の事実を証明できる書類、解約手続きをする方の身分証明書、亡くなられた方の携帯電話など
【運転免許証・パスポート・クレジットカード】
・亡くなられた方の運転免許証などは、紛失して第三者に悪用されないように、早めに解約や返却手続きを行ったほうが良いです。
運転免許証
・亡くなられた方の運転免許証は、有効期限内でも代理人が返納することができます。
・手続きは、最寄りの警察署や運転免許センターなどで行うことができます。
・更新手続きをしなければ、運転免許証の有効期限が切れて失効しますので、形見として持っている方もいらっしゃいます。
・手続き内容:返却
・手続き先:最寄りの警察署または運転免所センター
・用意するもの:亡くなられた方の運転免許証、手続きをする方と亡くなられた方の関係を証明できる書類、手続きをする方の身分証明書、亡くなられた事実を証明できる書類。
パスポート
・亡くなられた方のパスポートは、パスワードの所持者が亡くなったことを証明できる戸籍謄本などの書類と一緒に持参して、最寄りの都道府県パスポートセンターに提出します。
・更新手続きをしなければ、パスポートの有効期限が切れて失効しますので、形見として残している方もいらっしゃいます。
・手続き内容:返却
・手続き先:最寄りの都道府県パスポートセンター
・用意するもの:亡くなられた方のパスポート、戸籍謄本など亡くなられた事実を証明できる書類
クレジットカード
・クレジットカードの所有者が亡くなられた場合は、遺族の方がクレジットカードのカスタマーセンターなどに連絡して解約し、カードははさみなどで切って処分します。
・解約手続きの方法やクレジットカード会社によって変わりますので、クレジットカードを複数持っている場合は、各クレジットカードのカスタマーセンターに連絡して確認してください。
・解約手続きを行わないで、そのままの状態にしておくと、年会費などが請求される場合がありますのでできるだけ早めに解約手続きを行ったほうが良いです。
・まだ未払いのもがあるのか確認が必要です。まだ未清算金や返済されていないローンなどがありますと、そのまま相続人に引き継がれますので、相続人の方は精算したり、返済する義務がありますので、気をつけてください。相続人が相続放棄を行った場合は、精算・返済義務はなくなります。
・クレジットカードに付いている保険を確認して、適用されるか確認をします。
・契約者が亡くなられた場合、借金が免除される場合がありますので、契約内容の確認が必要です。
・クレジットカードの裏面に書かれている連絡先に連絡をすると、解釈手続き用の書類を送ってくれるので、その書類に記入して、クレジットカードをはさみで切って返送すれば、解約手続きは完了です。
・手続き内容:解約
・手続き先:各クレジットカードのカスタマーセンター
・用意するもの:クレジットカード会社指定の書類など
電子マネー
・代表的な電子マネーには楽天Edy、WAON、Suica、nanaco、PASMO、iD、ICOCA、QUICPay、manaca、PiTaPa、nimoca、TOICA、SUGOCA、uniko、Kitaca、はやかけんがあります。
・今のところほとんどの場合、電子マネーは相続財産の対象とはなっていません。
・電子マネーの利用規約によっては、所有者が亡くなられた場合は権利を失うと定められている場合がありますが、相続については書かれていないことが多いです。
・例外的に、電子マネーが相続財産になる場合があります。その場合は利用規約に書かれていますので確認してみてください。
・電子マネーの中には10年間使用しないと使えなくなる場合があります。
・基本的に、電子マネーのお金は現金かできません。
・電子マネーの利用者がだんだん増えていますので、今後、電子マネーも相続財産の対象になる可能性があります。
デパートの会員証など
・デパートの会員証にも、クレジットカードの機能が付いている場合があります。
・年会費などはクレジットカードから自動引き落としされていることが多いです。
・大手デパートの会員の場合、積立金があり、数十万円になることもあります。
・早めに確認をされたほうがいいでしょう。
JAFの会員の場合
・車にトラブルが発生したときに、いろんなサポートをしてくれるJAF会員になっている場合は、クレジットカードで年会費を支払うシステムになっています。
・自動車の名義変更のときに一緒に確認をしたほうがいいです。
フィットネスクラブの会員の場合
・健康維持のためにフィットネスクラブに通っている方が多いです。
・毎月、月会費を支払って利用していますので、亡くなられたことを早めに連絡しないと、自動的に月会費が銀行口座から引き落とされます。
・亡くなられた後に、月会費が引き落とされた場合は、返金請求ができないことが多いので、該当する場合は一度スポーツクラブに確認お願いします。
シルバーパス、住民基本カード、マイナンバーカード、身体障害者手帳、愛の手帳など
・すみやかに市区町村役場に返却します。
・有効期限が切れれば使えなくなりますので、手続きは必要ありません。
・死亡届を提出していますので必要な書類もありません。
・有効期限が切れると使えなくなるので、形見として残している方もいますが、市区町村の窓口では、悪用防止のため返納のお願いをしているところもあります。
家族信託の小冊子を作成しました。

