今回は、なぜ家族信託の受託者に兄弟姉妹や配偶者を設定しないほうがいいのかについて解説します。
最近、家族信託を活用して相続対策をする人が増えてきています。。事前に認知症の発症に備えたり、遺産分割の問題を回避することができるからです。
しかし、受託者を誰に設定するかによって、事情が変わってきます。
ほとんどの場合は、子供を受託者に選任していますが、中には夫や妻などの配偶者や兄弟姉妹を受託者に選任しようと考える人もいます。
家族信託をするときは信頼できる家族に財産管理をしてもらうので、信頼できるいう意味では、配偶者や兄弟姉妹を受託者に指定するのは適任だといえます。
しかし、配偶者や兄弟姉妹では財産管理をするのは難しいと思います。
家族信託を設定する目的は、「高齢で外を出歩くのが困難」「認知症を発症し、判断能力がなくなった」という状態になったときに受託者が本人に代わって財産管理ができるからです。
そうしたとき配偶者や兄弟姉妹を受託者に設定すると、配偶者も兄弟姉妹も高齢の場合がほとんどです。
そのため認知症発症のリスクがありますし、病気によって本人より早めに死亡する場合もあります。
つまり、配偶者や兄弟姉妹を受託者に設定すると、受託者として機能しない可能性が高いです。
配偶者や兄弟姉妹を受託者に設定することはできますが、年齢的にいろいろ問題がありますので気を付けてください。
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