自分の人生を振り返る方法7選|終活でこれまでの人生を見つめ直す

エンディングノート

終活というと、財産整理やエンディングノート、葬儀やお墓の準備などを思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、終活は「亡くなった後の準備」だけではありません。

これまでどのような人生を歩んできたのかを振り返り、何を大切にしてきたのか、どんな人との出会いがあったのか、そしてこれからどのように生きていきたいのかを考えることも、終活の一つです。

この記事では、自分の人生を振り返る方法を7つ紹介します。

過去を振り返ることで、自分が大切にしてきたものや、これから大切にしたいことに気づくきっかけになるかもしれません。


自分の人生を振り返ることが終活になる理由

自分の人生を振り返ることは、これからの人生を考えるための終活の一つです。

厚生労働省が紹介している「人生会議(ACP)」でも、まずは「自分が大切にしたいこと」を考え、その思いを家族や信頼できる人などと話し合うことが大切だとされています。

厚生労働省「人生会議とは?」

これまでの人生を振り返ってみると、

  • 何を大切にしてきたのか
  • どんなことに喜びを感じてきたのか
  • 誰との出会いが印象に残っているのか
  • どんな経験を乗り越えてきたのか
  • これから何を大切にしたいのか

などが見えてくることがあります。

こうした気づきは、これからの生き方や家族とのコミュニケーションを考えるときにも役立ちます。


自分の人生を振り返る方法7選

① 子どもの頃から現在までを振り返る

まずは、自分が生まれてから現在までを大まかに振り返ってみましょう。

たとえば、

  • 子どもの頃
  • 学生時代
  • 就職した頃
  • 結婚した頃
  • 子育てをしていた頃
  • 仕事を頑張っていた頃
  • 家族との生活
  • 現在

というように、人生をいくつかの時期に分けて考えると整理しやすくなります。

「何があったのか」を完璧に思い出す必要はありません。

思い出せることから少しずつ書き出してみましょう。


② 人生の転機になった時期を振り返る

人生には、進学、就職、転職、結婚、子育て、引っ越しなど、大きな転機があります。

自分にとって特に印象に残っている出来事を振り返ってみましょう。

たとえば、

「この仕事を始めたことで人生が変わった」

「この人との出会いが大きな転機になった」

「この経験が自分を成長させてくれた」

などです。

良かった出来事だけではなく、大変だった出来事を振り返っても構いません。

人生の転機を振り返ることで、自分がどのような選択をしてきたのかを改めて考えることができます。


③ 幸せだったことや楽しかったことを思い出す

人生の中で「幸せだった」「楽しかった」と感じた出来事も書き出してみましょう。

たとえば、

  • 家族と過ごした時間
  • 友人との思い出
  • 旅行
  • 趣味
  • 仕事で達成感を得た経験
  • 子どもの成長
  • 孫との時間
  • 忘れられない出来事

などです。

大きな出来事でなくても構いません。

「家族と一緒に食べた食事がおいしかった」

「友人と何時間も話したことが楽しかった」

「毎朝散歩する時間が好きだった」

など、日常の小さな思い出も大切な人生の一部です。


④ 大変だったことや乗り越えてきたことを振り返る

人生を振り返るときには、楽しかったことだけでなく、大変だったことにも目を向けてみましょう。

  • 苦しかった時期
  • 仕事で悩んだ時期
  • 人間関係で悩んだ経験
  • 家族のことで苦労した経験
  • 病気やけがを経験した時期
  • 大きな失敗をした経験
  • そこから立ち直った経験

などです。

「大変だったけれど、何とか乗り越えてきた」という経験は、今の自分をつくっている大切な経験かもしれません。

無理に嫌な記憶を掘り起こす必要はありません。

つらくなった場合は、そこでいったんやめても大丈夫です。


⑤ 人生で出会った大切な人を思い出す

これまでの人生で出会った人について振り返ってみましょう。

たとえば、

  • 両親
  • 兄弟姉妹
  • 配偶者
  • 子ども
  • 祖父母
  • 親戚
  • 友人
  • 恩師
  • 職場の人
  • お世話になった人

などです。

「この人に出会えてよかった」と思える人は誰でしょうか。

人生を振り返ることで、これまで多くの人に支えられてきたことに気づくこともあります。

そして、思い出した人に「ありがとう」を伝えることも、これからできる大切なことの一つです。


⑥ 写真やアルバムを見返す

人生を振り返るきっかけとして、昔の写真やアルバムを見返す方法もあります。

古い写真を見ながら、

「この頃はこんな生活をしていた」

「この人と一緒に旅行へ行った」

「この頃は仕事が大変だった」

など、思い出したことを書き留めてみましょう。

写真だけでなく、

  • 手紙
  • 日記
  • 年賀状
  • 学校の記録
  • 卒業アルバム
  • 旅行の記録
  • 趣味に関するもの

なども、人生を振り返るきっかけになります。

研究ではどうなっている?

人生を振り返ることに関連する研究として、「回想法(reminiscence therapy)」や「ライフレビュー」と呼ばれる方法があります。

2023年に発表されたシステマティックレビュー・メタ分析では、認知機能に大きな問題のない高齢者を対象とした27研究・1,755人について検討され、回想法が抑うつ症状や生活満足度に良い影響を与えたと報告されています。

また、別の2023年のシステマティックレビュー・メタ分析では、32研究・2,353人を対象に、ライフレビューや回想法によって生活の質や生活満足度が改善したと報告されています。

ただし、ここでいう研究は、一定の方法や回数で行う構造化された回想法・ライフレビューを対象としたものです。

そのため、「写真を見たり、過去を思い出したりするだけで、同じ効果が得られる」とまでは言えません。

終活では、こうした研究を参考にしながら、無理のない範囲で自分の人生を振り返る時間をつくることが大切です。


⑦ これまでの人生で大切にしてきたことを考える

最後に、「自分は何を大切にして生きてきたのだろう」と考えてみましょう。

たとえば、

  • 家族
  • 健康
  • 仕事
  • 人とのつながり
  • 誠実さ
  • 自由
  • 挑戦
  • 安心
  • 感謝
  • 趣味
  • 学ぶこと

などです。

自分が大切にしてきた価値観は、一人ひとり違います。

これまでの人生を振り返ることで、「自分らしさ」を改めて発見できるかもしれません。


人生を振り返ったら、これからの人生について考えてみる

人生を振り返ることは、過去だけを見るためではありません。

「これからどう生きたいか」を考えるためでもあります。

たとえば、

「これからは家族との時間をもっと大切にしたい」

「健康を大切にしたい」

「昔からやりたかったことに挑戦したい」

「友人との時間を増やしたい」

「行ってみたかった場所へ旅行したい」

など、これからやってみたいことを書き出してみましょう。

過去を振り返ることで、これからの人生で大切にしたいことが見えてくることがあります。


思い出したことを少しずつ書いてみる

人生を振り返るとき、最初からきれいな文章を書く必要はありません。

ノートやスマートフォンなどに、

「小学生の頃、毎日友達と遊んでいた」

「初めて就職したときは緊張した」

「子どもが生まれたときは本当にうれしかった」

など、思い出したことを一言ずつ書いてみましょう。

箇条書きでも十分です。

後から読み返したときに、「こんなこともあったな」と思い出すきっかけになります。


エンディングノートに人生の振り返りを書いてみる

思い出したことは、エンディングノートに残しておく方法もあります。

法務局でも、エンディングノートは、家族などに伝えておきたい情報を整理するだけでなく、これまでの人生を振り返り、これからの人生について考えるきっかけになるものとして紹介されています。

法務局「エンディングノート」関連情報

エンディングノートには、

  • 自分の人生で印象に残っている出来事
  • 大切な人との思い出
  • 感謝していること
  • 大切にしてきた価値観
  • これからやりたいこと
  • 家族に伝えたいこと

などを書いてみるのもよいでしょう。

ただし、エンディングノートには、遺言書のような法的効力はありません。

財産の分け方など、法律上の効力を持たせたい内容については、別途、適切な方法を検討する必要があります。


一度に全部振り返らなくても大丈夫

自分の人生を振り返る作業は、時間がかかることがあります。

一日ですべてを書き出す必要はありません。

今日は子どもの頃。

明日は仕事をしていた頃。

その次は家族との思い出。

というように、少しずつ進めても大丈夫です。

思い出したときに書き足していけば、少しずつ自分だけの人生記録ができていきます。

また、過去を振り返ることでつらい気持ちになる場合は、無理をして続ける必要はありません。


自分の人生を振り返ると、これからが見えてくる

終活は、人生の終わりについて考えることだけではありません。

これまでの人生を振り返り、

「自分は何を大切にしてきたのか」

「誰に支えられてきたのか」

「どんな経験をしてきたのか」

「これから何を大切にしたいのか」

を考えることも、これからの人生を考える大切な時間になります。

厚生労働省の「人生会議」でも、自分が大切にしていることや、どのように生きたいかを考え、それを家族や信頼できる人と話し合うことが紹介されています。

厚生労働省「人生会議」

過去を振り返ることは、過去に戻ることではありません。

これまでの人生を見つめることで、これからの人生を考える。

それも、終活の大切な意味の一つではないでしょうか。


まとめ

今回は、終活で自分の人生を振り返る方法7選を紹介しました。

  • 子どもの頃から現在までを振り返る
  • 人生の転機になった時期を振り返る
  • 幸せだったことや楽しかったことを思い出す
  • 大変だったことや乗り越えてきたことを振り返る
  • 人生で出会った大切な人を思い出す
  • 写真やアルバムを見返す
  • これまでの人生で大切にしてきたことを考える

すべてを一度に行う必要はありません。

まずは、昔の写真を一枚見てみる。

あるいは、人生で一番印象に残っている出来事を一つ書いてみる。

そんな小さなところから始めてみてはいかがでしょうか。

そして、これまでの人生を振り返ったら、次は「これからどんな人生を送りたいのか」を考えてみましょう。

自分の人生を振り返ることは、これからの人生をより自分らしく考えるための終活の一歩です。


参考資料・出典

・厚生労働省「人生会議とは?」
厚生労働省「人生会議とは?」

・厚生労働省「人生会議」
厚生労働省「人生会議」

・Xu L, et al. Effects of reminiscence therapy on psychological outcome among older adults without obvious cognitive impairment: A systematic review and meta-analysis. Frontiers in Psychiatry. 2023.
PubMed 論文情報

・Zhong Q, et al. Effectiveness on Quality of Life and Life Satisfaction for Older Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis of Life Review and Reminiscence Therapy across Settings. Behavioral Sciences. 2023.
PubMed 論文情報

・Shin E, et al. Effects of reminiscence therapy on quality of life and life satisfaction of the elderly in the community: a systematic review. BMC Geriatrics. 2023.
PubMed 論文情報

※この記事は一般的な終活情報を紹介するものであり、個別の医療・法律・相続などについて判断するものではありません。

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